■「格好いい、楽しい、セクシー、ぶっとんでいる」
また各賞発表の中盤、昨年のDリーグ開幕時から全ラウンドでレギュラー・エンターテイナー・ジャッジを務めたテリー伊藤さんに特別功労賞が授与された。テリーさんは「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある。ダンスには道具がいらない。良い演技を見て、やりたくなったらすぐできる。そんなスポーツは他にありません。格好いい、楽しい、セクシー…真似したくなる。そして、ぶっとんでいる。そんな素晴らしい要素を兼ね揃えているのはダンスだけ。これからもっと、ますますダンスは成長していきますが、まだ、野球の大谷のように“社会現象”にはなっていません。でも今後、ダンスも社会現象になる!私はそうなると思っています」と熱弁。辣腕プロデューサ―のテリーさんならではの、未来を見据えた印象的かつ効果的な言葉は、会場はもちろん、配信を通して、すべてのダンスファンの脳裏にダンスの未来のあるべき姿を植え付けることになっただろう。

特別功労賞に選出されたテリー伊藤(撮影:SPREAD編集部)
各賞の後には、新チーム「Valuente INFINITIES」も紹介され、今年10月に始まる次シーズンからは全12チームでの闘いとなることも発表された。INFINITIESのディレクターSTEEZはブレイク・ダンス世界最高峰の大会「バトル・オブ・ザ・イヤー」で前人未到の三連覇を果たしたブレイキン界の“重鎮”。希望に満ちた未来の象徴とされるユニコーンをチームロゴとしている同チームが、来シーズンの闘いにどのようなインパクトをもたらすのか楽しみだ。
アワード終盤、Dリーグの神田勘太朗COOは「セカンドシーズンをやるなかで、過酷な状況下でも未来が見えた。ダンスのある人生、ダンサーが主役となれる場が確かに生まれ、Dリーガー全員がプロとして確実に成長してきている。12チームになってますます進化し、どう表に出てゆけるか。次はさらに重要なシーズンになる。」と気合の入ったメッセージを投げかけた。
そして最後は再び平野CEOから、全Dリーガーに向けて「プロとしての自覚をさらに強め、社会現象になるためには、オフシーズンの3か月半の間に何をするかが重要。今シーズンの悔しい気持ちで成長してほしい」と激励の言葉が贈られた。開幕からの2年間、制約の多かったコロナ禍を乗り越え、チケットを完売するまでになった日本発、世界初のダンス・リーグ。閉会の言葉と共に、セカンドシーズンのダイジェスト映像が流れると、この2年間の厳しき闘いを追う中で垣間見た様々なドラマが彷彿とされ、また、ダンスとダンサーの価値の興隆を想い、私も感無量のうちアワードショーの幕が下りた。
ダンスが社会現象となる未来の訪れを確かに予感させてくれる、セカンドシーズンを終えたDリーグ。このオフシーズンの間ですら進化を止めず成長し続け、10月から始まる“サード・シーズン”もまた、大いなる興奮と喜びを届けてくれるに違いない。
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著者プロフィール
Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター
『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー。











