ストラスブールのGK川島永嗣選手が11月13日にインスタグラムとブログを更新した。休暇を利用して家族と一緒にイタリアのナポリを訪ねた川島選手は、恩師のエルメス・フルゴーニさんと再会を果たしている。
18歳のときイタリアへ渡り、セリエAのパルマに留学してフルゴーニさんの指導を受けた川島選手は、インスタグラムに2ショット写真と「キーパーの基礎を教わった偉大なる恩師」という紹介文をアップした。
ファンからも恩師との再会に多くのコメントが寄せられている。
- 恩師の方に家族で会いに行けてよかったですね
- 大切な人にお会いできて嬉しいですね
- フルゴーニ氏も変わらず素敵ですね
川島永嗣が全幅の信頼を寄せたイタリアの名伯楽
フランスのストラスブールからスイスへ南下し、さらに進んでいくと次に見えてくるのはイタリアだ。そのままミラノを経由して南へ下り続けると、やがて美食の街パルマにたどり着く。
車を走らせること約6時間。東京・大阪間に匹敵する距離を走破した先に、川島選手は「僕のずっと会いたかった人がいる」と胸を高鳴らせた。
18歳で大宮アルディージャに加入したあと、川島選手はナポリへ短期留学に出る。そこでコーチを務めていたのがフルゴーニさんだった。
「彼との練習は毎日が新鮮だった。何より驚いたのは、練習でやったことが驚くほど試合の難しい場面で役に立つことだった。彼の練習を吸収するのに必死で、オフのシーズンは彼の家に泊まり込みで練習させてもらいにイタリアまで行っていた」
日本と欧州で選手の質、指導力に最も大きな隔たりがあるポジションはキーパーと言われている。川島選手にとっては、10代のうちにヨーロッパ基準の技術や考え方を学べたことが、その後のキャリアに多大な影響を与えた。
留学期間が終わっても川島選手とフルゴーニさんとの関係は続いた。
独学で学んだイタリア語を駆使してメールを交換し、シーズンオフには泊まり込みでイタリアまで指導を受けに行ったことがある。
18歳で初めて会ってから10年以上、川島選手とフルゴーニさんの師弟関係は続けられた。
日本の守護神誕生の影にはイタリアの名伯楽の存在があった。
日本のキーパーは頭が固い
選手としてはアマチュアクラブでのプレー経験しかなく、プロでの華々しいキャリアとは無縁のフルゴーニさんだが、彼の才能は指導者として花開いた。
彼の最も有名な業績は、ジャンルイジ・ブッフォン選手の才能を見出したことだ。
(c)Getty Images
長くイタリア代表の正GKを務め、40歳になった現在でも世界トップクラスのキーパーと称されるブッフォン選手。
彼の才能を13歳の時点で見抜き、「今後30年間サッカー界で最も優れたキーパーになる」と予言してパルマの下部組織に招き入れたのが、当時GK育成コーチ兼スカウトだったフルゴーニさんだ。
それから27年経った現在も予言は外れていない。
恩師の言葉から挑戦する大切さを学ぶ
9年ぶりにフルゴーニさんとの再会を果たした川島選手は、70歳になったいまもサッカー熱は変わっていなかったと喜ぶ。
「9年ぶりに会う彼は、相変わらずGKを教える情熱に溢れ、昨年所属していた地元のクラブParmaを離れた今も、いつもと同じように地元の若いGKを空いている時間に教えていた」
今回は家族旅行が目的でトレーニングはしなかったが、それでも恩師の言葉から学ぶことがあったと深く感じ入る。
「届かないと思ったらいつまでも届かないんだ、届くと信じて練習して初めて、そこに届くようになるんだ」
改めて恩師の言葉から挑戦し続ける大切さを学んだ。
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