【全米オープン】開幕へ、大坂なおみら日本勢の躍進に期待 セリーナは引退への花道を飾るか

2度目の全豪オープン優勝を果たした大坂なおみ(2021年2月20日)(C) Getty Images

■大坂はサービスゲームが鍵

男女シングルスの第1シードは昨年覇者のダニール・メドベージェフ(ロシア)とイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。日本のエース大坂は現在44位に位置し、ノーシードでスタートする。3月のマイアミでの準優勝以降、2回戦までに敗退している大坂だがテニスに大きな問題があるわけではないだろう。それよりも今季は確実にコントロールショットが増え、フォアハンドで丁寧にオープンコートをメイクしている。何よりテニスで重要な「リスクを減らしながらポイントを量産する」という術を丁寧に実行し、幅を広げているように見える。最近は序盤でブレークされ接戦を取り逃すシーンも多いがゆえ、入り出しのサービスゲームの成功が自信をもってリズムを作るための要因となるだろう。

1回戦は今年の全豪で準優勝したダニエル・コリンズ(アメリカ)と対戦する。ベースライン上でのパワーバトルを好み、熱い感情を前面に押し出せる選手だ。マイアミ・オープン準決勝では大坂が勝利しているが、自国のビッグイベントではファンの後押しも強いはず。元々、勝利への空気づくり上手い選手がゆえ、いかにしてコート制圧できるかメンタルバトルにも注目が集まる。

そして今季トップ30を5人倒す成果を出し存在を強めているのが、日本男子のエース西岡良仁だ。何よりずば抜けたタッチセンスとフィジカルの強さ、そして空間認知力の高さが光る西岡ワールドに多くのテニスファンが虜になる。1回戦は39位のアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナ(スペイン)と初対戦。どのような作戦で勝利を目指すか、西岡の頭脳戦を注視したい。

またグランドスラム23勝を誇るセリーナ・ウィリアムズにとって、今大会がテニス人生のラストダンス。彼女のドラマはどのように幕を閉じるか、そして今シーズン最後のグランドスラムを締めくくるのは誰なのか。目が離せない2週間となりそうだ。

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著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。


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