長谷部誠が無力さを感じる時…その中で少しでもできることとは

アスリートの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2018」の授賞式が、12月17日にグランドハイアット東京で行われた。

「HEROs AWARD」は、アスリートの社会貢献活動を促し、様々な社会問題を解決する動きを加速させ、ソーシャルイノベーションの輪を広げていくことを目的に立ち上がった。日本財団が創設した「HEROs Sportsmanship for the future」プロジェクトの取り組みの一つ。

2018年の受賞者は、赤星憲広氏、有森裕子氏、飯沼誠司氏、長谷部誠選手、浦和レッズ(登壇したのは淵田敬三氏、近藤伸一氏、落合弘氏)、ビーイング・アライブ・ジャパン(登壇したのは北野華子氏)。

受賞者は日本財団が任命した選考委員により決定、プロジェクトに寄せられた寄付金から活動奨励金が贈呈された。なお、授賞式は民間資金で開催された。

はしかのワクチンを購入するだけでは十分ではない

長谷部選手は、2007年より日本ユニセフ協会大使としてエチオピアでのワクチン支援などを展開していることが表彰された。ブンデスリーガがシーズン中のため本人は欠席したが、ビデオを通してメッセージを伝えた。

社会貢献活動をはじめたきっかけは、サッカーの海外遠征帰りの飛行機の中で見つけたユニセフのパンフレットを見て、寄付をはじめたことだった。それまでも、世界の厳しい環境にいる子どもたちのために何かできないかと漠然と思っていたという。

現在長谷部選手は、自身の公式サイトを通して会員になった人々の会費から、運営費を除いた全ての金額をはしかのワクチン購入に充てている。こうした、一般の人々でも社会貢献に関われる仕組みを整えていることも評価されたポイントの一つだ。

「はしかのワクチン購入をするだけではなく、そのはしかのワクチンをしっかりと清潔な状態で、道なき道を進んで現地に届ける必要がある。そして、現地にはそのワクチンを打ってあげるドクターなど、さまざまな協力がなければいけないし。いろいろな意味で、ワクチンを買うだけが寄付じゃないのだと自分が活動して改めて思っています

自分の無力さを感じることも

11月12~13日にギリシャの難民キャンプを訪れた長谷部選手。その際のエピソードを語った。

「自分の無力さを感じることがたくさんあって。先日(ギリシャの)難民キャンプに行った時、アフガニスタンから来た10歳の女の子に『ドイツに住んでいる』と伝えると、『妹がいるから、一緒に連れて行ってくれないかな』と本気で僕に対して言うわけですよ。で、僕は返す言葉もないですよね。どうにかしてあげられない、どこにも持っていけないこの気持ちというのは、現地に行って嬉しいことよりも、より心に残るんですね。その中で、自分の活動を通して、少しでも多くの方に関心を持ってもらえたらというのがあります

《大日方航》

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