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【WBC】大谷翔平ら栗山ジャパン史上最強投手陣起用法を占う 過去4大会徹底比較<後編>

【WBC】大谷翔平ら栗山ジャパン史上最強投手陣起用法を占う 過去4大会徹底比較<後編>
エンゼルス・大谷翔平 (C) Getty Images

野球の世界一決定戦、「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」WBC)が3月8日に開幕する。6年ぶりの大舞台へ向け、“二刀流”大谷翔平を筆頭に、栗山英樹監督の下で「史上最強」との呼び声高い錚々たるメンバーが集結だ。

26日、全メンバーの発表が予定されているとの情報もあるが、ここではまずは25日現在の情報から「投手陣」に目を向け、過去の大会の成績を振り返るとともに「世界一奪回」へ向けたヒントを探りたい。

◆【WBC】大谷翔平ら栗山ジャパン史上最強投手陣起用法を占う 過去4大会徹底比較<前編>

■ベスト4で力尽きるも投手力の高さは存分に披露

2017年第4回WBC日本代表メンバー<投手陣>

前回大会の反省も踏まえ、2012年から常設化されてきた「侍ジャパン」の事業をさらに強化。小久保裕紀監督をトップに据え、多くの試合、大会を経験した後に臨んだ大会だった。その効果もあってか、1次ラウンド、2次ラウンドともに大量得点を奪っての全勝で勝ち抜いたが、準決勝でアメリカ相手に1対2。2大会連続でベスト4敗退となった。

投手陣は、菅野智之が3試合、石川歩が2試合、千賀滉大と武田翔太が1試合ずつに先発。その中で千賀の活躍が光り、自慢の“お化けフォーク”を駆使して中継ぎとしてもフル回転し、計11イニングを投げて16奪三振、防御率0.82。また、菅野もアメリカ戦で6回3安打1失点(自責0)と力投。秋吉亮、宮西尚生の2人が防御率0.00をキープ。チーム防御率は3点台だったが、日本の投手力の高さは、その数字以上のものがあった。

2017年WBCで活躍が光った千賀(C) Getty Images

■錚々たる面々に「史上最高」の期待、先発&抑え役は…

そして迎える第5回WBC。すでに投手陣6人が発表されたが、実績、実力を鑑みると、先発は大谷翔平、ダルビッシュ有、山本由伸、そして佐々木朗希が有力。左腕ならば、今永昇太が筆頭候補になる。佐々木の経験不足には不安な点があるが、大谷、ダルビッシュ、山本の「3本柱」は、過去4大会の先発陣を上回って「史上最高」と言っていい。

2023年第5回WBC日本代表メンバー<投手陣>

ただ、前回同様の球数制限(1次ラウンド65球、準々決勝80球、準決勝と決勝は95球)が設けられることが予想される中で重要となってくるのが、第2先発だ。メンバー的には戸郷翔征、宮城大弥、伊藤大海、高橋奎二が候補。さらにクローザー役としても松井裕樹、栗林良吏と人材豊富だが、全体的な「若さ」がどう出るか。短期決戦や準決勝以降の戦いを考えれば、経験豊富なダルビッシュや力強いストレートを持つ2年連続沢村賞の山本、さらに大谷の抑え起用も有効手段として考えられる。

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そして準決勝以降、一線級のメジャーリーガーたちを相手にした場合、今大会も有効になってくるのが、「タテの変化」で間違いないだろう。前回大会で活躍した千賀が今回はメジャー移籍1年目を考慮されて招集外(栗山監督は決勝ラウンドからの追加招集の可能性を示唆)となっているが、高速フォークを操る山本を筆頭に、栗林、佐々木朗、宇田川優希とフォークを武器にする投手たちは多い。各自のコンディション、WBC球への適応度も見極め、実績に拘ることなく、好調な投手を積極的に起用する“決断”も必要になるだろう。

前回の小久保ジャパンは、2013年11月に発足して2017年3月のWBCまで多くの試合を重ねたが、今回の栗山ジャパンは昨年11月の強化試合が初陣。まだ投手の起用法が定まっていない中、大会を勝ち進みながら「ベストな形」を作り上げ、日本投手陣の実力を改めて世界舞台で誇示してもらいたい。

大谷翔平(左)をはじめ史上最高の投手陣がそろう栗山ジャパン 撮影:SPREAD編集部

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提供●Baseball Times

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