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【ボクシング】アジアでは無敵のチャンプ・吉野修一郎が挑むWBC世界ライト級挑戦者決定戦展望

【ボクシング】アジアでは無敵のチャンプ・吉野修一郎が挑むWBC世界ライト級挑戦者決定戦展望

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WBC世界ライト級挑戦者決定戦は8日(日本時間9日)、ニュージャージー州ニューアーク、プレデンシャルセンターにて、吉野修一郎(三迫)とシャクール・スティーブンソン(アメリカ)の組み合わせで行われる。

現在、ライト級はデビン・ヘイニー(アメリカ)が4団体を統一している。大きな夢が広がるビッグチャンスだ。

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吉野はフィリピン人の母親を持つ31歳のハーフ・ボクサー。昨年、元世界王者の伊藤雅雪(横浜光)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との対戦経験を持つ中谷正義(帝拳)に連勝して、日本、アジアには敵がいないことを証明した。今回の試合には、東洋太平洋、WBOアジア・パシフィックの2本のベルトを返上してのぞむ。

戦績は16戦全勝(12KO)。体の強さを生かしてグイグイと攻めていくボクサー・ファイターだ。伊藤、中谷との試合も力勝負に持ち込み、世界レベルのライバルを粉砕した。

■体格の差を生かしてロープに追い込みたい

一方のスティーブンソンは、アメリカのスーパースター候補。プロの戦績は19戦全勝(9KO)。リオデジャネイロ五輪で銀メダル(バンタム級)を獲得したエリートでもある。25歳ながら、すでにWBOフェザー級、WBOスーパーフェザー級の2団体のベルトを巻いており、ライト級を獲れば3階級制覇となる。近いうちにパウンド・フォー・パウンドの上位に入るだろうと、識者の評価も高い。

いわゆる“メイウェザー・スタイル”で、卓越したディフェンス能力を持つ。この選手に強いパンチをクリーンヒットするのは至難の業だ。ロマチェンコに衰えが見えるなか、現役屈指のディフェンス・マスターといえるだろう。吉野も「顔にはなかなか当たらないと思う。体を叩きまくる」とコメントしている。

吉野にチャンスがあるとすれば、ライト級という階級。ボクシングの階級はミニマム級からヘビー級まで17階級に分かれているが、スーパーフェザー級までが軽量級、ライト級以上が中量級と、ここにひとつの見えない壁がある。

余談だが、これまで日本人の世界チャンピオンは92人いるが、ライト級より重いクラスの正規王者は、ガッツ石松(ライト)、工藤政志(ジュニアミドル、現スーパーウェルター)、三原正(スーパーウェルター)、浜田剛史(スーパーライト)、竹原慎二(ミドル)、小堀佑介(ライト)、村田諒太(ミドル)の7人しかいない。

デビュー以来、ライト級で戦ってきた吉野は、2階級下から上がってきてライト級初戦となるスティーブンソンに比べて体格で勝っているはずだ。足の速い相手をロープに追い詰めて、ボディから上に返すコンビネーションを打つことができれば面白くなる。

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■スティーブンソンには体重超過の前科がある

もうひとつは、スティーブンソンのメンタルだろう。スティーブンソンにとって、今回の試合はヘイニーとの大一番に向けてのチューンアップ。これまで戦ってきた相手に比べれば、吉野は明らかに格下だ。オッズも圧倒的に有利と出ている。

しかし、スティーブンソンは、過去に体重超過によるタイトル剥奪というミスも犯している。どこかに気の緩みがあるかもしれない。初回から圧力をかけて攻め込めば、スピードスターも慌てるかもしれない。あっと言わせる番狂わせに期待したい。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。


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