【MLB】「一塁まで3.99秒」42歳でメジャー最高峰の俊足だったイチロー、残された現役晩年のデータを振り返る

 

【MLB】「一塁まで3.99秒」42歳でメジャー最高峰の俊足だったイチロー、残された現役晩年のデータを振り返る
日本人最多、MLB通算509盗塁を誇るイチロー(C)Getty Images

シアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさんが率いる、野球チーム「KOBE CHIBEN」と高校野球女子選抜のエキシビションマッチが21日、東京ドームで行われる。

引退後も後進への指導を精力的に続け、50歳を迎えてもなお、自ら身体を動かして技術や考え方を伝えるスタイルは変わらない。現役時代のプレーを見ていない世代も増えたが、メジャーリーガー「イチロー」はどのような選手だったのか。残された公式データの一部を振り返ってみたい。

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■全盛期の公式データは確認できず

MLBでは、2015年から「Statcast(スタットキャスト)」と呼ばれるデータ解析のシステムを導入。あらゆるプレーが数値化され、選手を客観的な指標で評価できるようになった。イチローがメジャーリーグで活躍したのが01年から19年。デビューから10年連続でオールスター出場とゴールドグラブ受賞、2度の首位打者、シーズン最多記録262安打樹立など……圧倒的な数字を残した“全盛期”のデータは残念ながら記録されていない。

そこで、2015年以降もっとも成績を残した16年。マイアミ・マーリンズ時代のデータを掘り下げてみた。この年イチローは代打と守備固め中心に143試合に出場。327打数95安打、打率.291、1本塁打、22打点、10盗塁。全打席に対する三振割合11.5%は、メジャー全体でも上位7%に位置する少なさ。特筆すべきは一塁までのタイムで、平均3.99秒はなんとメジャー4位タイ。上位3名が全員20代なのだから驚きだ。

メジャーリーグの直近2年間で平均タイム3秒台の選手はひとりもおらず、当時42歳のイチローがいかに“異質”だったかおわかりいただけるだろう。走り出すまでが極端に速い独特のスイングで、引退間際まで内野安打を量産し続けた。

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文●有賀博之(SPREAD編集部)