今週は中京競馬場で、第59回中日新聞杯(GIII、芝2000m)が行われる。2017年の施行条件変更以降は1番人気がわずか1勝。ローカルのハンデ戦というシチュエーションで波乱傾向の強いレースだ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬17頭の全頭診断を行う。
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■中日新聞杯2023 出走予定馬全頭診断
・カレンルシェルブル
メンバー中唯一の前走重賞馬券内馬。その実績は注目に値するが、当時は掲示板内5頭中4頭が初角10番手以下と、極端な前崩れが味方した印象を受けた。2017年以降の中日新聞杯において、前走福島記念組は【0.0.0.13】。中京芝実績が豊富な馬ではあるものの、不安も同居する1頭だ。
・カントル
重賞では【0.0.0.6】と苦戦傾向。厳しい。
・キラーアビリティ
昨年のこのレース勝ち馬。重賞2勝はいずれも冬競馬と、寒い時季への適性には目を見張るものがある。斤量59キロは楽ではないが、何らかの印は必要か。
・サトノエルドール
2年以上にわたって馬券外が続く馬。ここも厳しい戦いが予想される。
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・ジャンカズマ
2歳秋以来の重賞挑戦となった前走は17着。もう少しクラス慣れが必要だろう。
・シュヴァリエローズ
リステッド競走でも馬券外が目立ってしまっているが、中京芝2000mは【1.1.0.0】と安定。当レースと好相性のディープインパクト産駒でもあり、3着のゾーンでケアしたいところだ。
・スパイダーゴールド
4連勝でオープンクラスまで駆け上がった馬。当時のパフォーマンスから重賞級の馬と感じていただけに、近走のレース内容には不満が残る。とはいえ2走前は不良馬場、前走はその疲労+夏競馬への季節替わりがマイナスに働いた可能性も。中京芝2000m重賞で4度の7番人気以下激走を誇るダイワメジャー産駒でもあり、見限るには早計だ。
・ドルチェモア
2歳王者も年明け以降は精彩を欠く競馬に終始。ここも様子見が妥当か。
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・ハヤヤッコ
芝2000mの馬券内は極悪馬場で2分3秒6を要した函館記念に限定。良馬場想定の土曜中京芝が向くとは思えない。
・ピンハイ
休み明けの前走カシオペアSは2着。減った馬体重が戻ったのは好材料で、当時から1キロ減の斤量もこの馬にとってプラスに働きそうだ。とはいえ、新馬戦を含めた馬券内4戦すべてが休み明けローテ。間隔が詰まった臨戦過程と左回り替わりゆえ、中心に据えるには躊躇してしまう。
・ホウオウビスケッツ
日本ダービーは先行して見せ場たっぷりの6着。勝ち馬とは0秒2差かつ、同タイムだったノッキングポイントが古馬混合の重賞を制してる点は心強い。2017年以降の中日新聞杯において、冬競馬の勝利実績がある3歳馬は【2.2.0.1】。中間のウッドでも好時計をマークしており、1戦1勝の左回り芝2000m替わりで評価は落とせない。
・マイネルファンロン
障害レースを使われるなど、ローテーションに一貫性がうかがえない。変わり身は望み薄か。
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・ヤマニンサルバム
1枠1枠から逃げ切り勝ちを決めた前走オクトーバーS。前残りの展開・馬場が味方したことは確かだが、全5勝が左回りというサウスポーぶりを見逃すことはできない。冬の中京芝2000mは【2.0.0.0】と負け知らず。軽視は禁物だ。
・ユニコーンライオン
近走はハナにすら立てないレースが続いている。一変を望むのは酷な印象だ。
・ユーキャンスマイル
昨年以降の馬券内は夏のオール野芝・新潟芝2000mに限定。ここは条件不適と言わざるを得ない。
・リューベック
前走中山記念はGI連対馬が4頭参戦のハイレベルな一戦。そのなかで大外枠から先行して勝ち馬と0秒2差なら大健闘と言えそうだ。新馬戦を含め、中2カ月以上の休み明けは【2.1.0.0】連対率100%。冬の中京芝2000mの勝利実績もあり、軽くは扱えない。
・ワンダフルタウン
3歳春の青葉賞を最後に馬券内から遠ざかる現状。厳しい。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年12月7日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。