【阪神JF/危険な人気馬】重賞ウイナーをバッサリ“消し” 「馬券内率1.9%」の高いハードル

 

【阪神JF/危険な人気馬】重賞ウイナーをバッサリ“消し” 「馬券内率1.9%」の高いハードル

今週は2歳牝馬の頂点を争う、第75回阪神ジュベナイルF(GI、芝1600m)が阪神競馬場で行われる。

リバティアイランドが1番人気に応えて快勝した昨年から一変し、今年は本命不在の混戦模様。サウジアラビアRC2着のボンドガール(回避)をはじめ、新潟2歳Sを制したアスコリピチェーノ、ファンタジーS覇者のカルチャーデイや、アルテミスS2着のサフィラなど、各路線で好走実績のある馬が一堂に会し、どの馬からでも狙えそうな一戦だ。

そんな中、京王杯2歳S覇者のコラソンビートが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■勝ち星・キャリアの多さ、馬格のなさと不安要素が続々…

コラソンビートは、デビュー戦こそ3着に敗れたが、勝ち馬は後にサウジアラビアRC2着のボンドガール、2着がアルテミスSを制するチェルヴィニアと、ハイレベルな新馬戦だった。その後、京王杯2歳Sでは牡馬を退け、未勝利戦から3連勝で重賞タイトルを初奪取。2歳牝馬の頂上決戦でも有力な立場で向かうことになる。

出走予定馬の中で唯一の3勝馬。重賞勝ちもあり、一見格上の存在にも見えるが、そこが落とし穴。決して過信できる1頭ではない。過去10年の阪神ジュベナイルFでは、3勝馬の成績が【1.0.1.5】と比較的好走率は高めだが、ボリュームゾーンは2勝馬で【8.7.5.75】。

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過去の3勝馬では、2013年ホウライアキコ(2番人気7着)、16年ジューヌエコール(4番人気11着)、20年メイケイエール(3番人気4着)など、上位人気に支持されながら複勝圏内を外す例も多く、勝ち星の多さが必ずしも結果に結びつくことのない一戦といえる。

また、キャリアの多さも引っかかる材料。過去10年でキャリア4戦以上の馬の成績は【0.1.0.51】複勝率9.1%と壊滅的。このうち、前走が重賞3着以内でも【0.0.0.9】と結果が出ていない。2歳のこの時期は多く使われていることよりも、キャリア2~3戦のフレッシュな状態であることが、暮れのGIで好走するための要素だ。

さらに、コラソンビートは前走時が442キロと比較的馬格の小さい馬だが、その点も懸念材料。過去10年の勝ち馬10頭中9頭が「馬体重460キロ以上」。しかも前走からプラス体重で臨んだ馬は、過去10年で【0.4.3.43】と勝ち切れていない。馬格のある馬が馬体重をある程度キープして臨まないと、阪神ジュベナイルFを勝ち切る資格はないと言えそうだ。

コラソンビートの過去4戦は東京・新潟と、左回りのレースしか経験しておらず、初の関西遠征になる点も気がかりな材料。25年ぶりとなる牝馬による京王杯2歳S制覇を果たしたが、その前回、1998年のウメノファイバーは阪神ジュベナイルFで6着に敗れており、京王杯2歳Sの好走が即結果に結びつかない可能性も高い。人気面を考慮するとあまり妙味は感じないので、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。