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【ヴィクトリアマイル/血統展望】想定7人気以下に“2070万馬券の使者”との共通点 「3.0.0.3」で穴候補に名乗り

【ヴィクトリアマイル/血統展望】想定7人気以下に“2070万馬券の使者”との共通点 「3.0.0.3」で穴候補に名乗り

今週末は、第19回ヴィクトリアマイル(GI、東京芝1600m)が行われる。

昨年のマイルCSを直線一気の豪脚で制したハービンジャー産駒ナミュール、前哨戦の阪神牝馬S勝ち馬のルーラーシップ産駒マスクトディーヴァ、ナミュールとクラシック戦線でしのぎを削ったキングカメハメハ産駒スタニングローズなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■キングマンボ系は狙えるパターンがハッキリ

過去10年の主要父系の成績を見てみると、サンデー系が【7.7.8.97】で複勝率18.5%に対し、キングマンボ系は【1.1.1.20】で複勝率13.0%。キングマンボ系で勝利を収めたのはあのアーモンドアイだけで、正直分が悪い結果となっている。

直線の長い東京が舞台とあって、サンデー系の末脚性能に及ばないのが結果に出ているよう。

ならば「キングマンボ系で狙えるのはどんな馬なのか?」という話なのだが、ズバリそれはフレッシュな馬。

中9週以上の間隔を取った父キングマンボ系は【1.1.0.1】で勝率33.3%、複勝率66.7%をマークしたのに対し、中8週以下だと【0.0.1.19】で、複勝率5.0%。馬券になったのは昨年のスターズオンアースだけという状況だ。

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キングマンボがサンデーの末脚のキレと渡り合うためには、疲労のない状況でレースを迎えて、自身の筋肉に最大出力まで頑張ってもらうしかないということか。好走した2頭には前述のアーモンドアイと2015年のこのレースで12人気で2着と好走し、ミナレットとともに大波乱の使者となったケイアイエレガントが該当する。

今年、登録馬に父キングマンボ系は5頭いるが、このうち中9週以上のローテなのは東京新聞杯以来の中13週となるサウンドビバーチェのみ。マスクトディーヴァやウンブライルが外れた点をどう捉えるか。

キングマンボ系の人気上位想定馬に不安要素が浮かび上がる一方で、狙い目になる血統・配合パターンが見つかったので、ここでそのうち、一つを紹介しよう。

■父サンデー系はマキャヴェリアンとの組み合わせに注目

今回注目したい配合は、父サンデー系×母がマキャヴェリアンの血を引く組み合わせ。その該当馬としてピックアップしたいのはコンクシェルだ。

父サンデー系×母マキャヴェリアン持ちの馬の成績は、過去10年に限定しても【2.0.0.3】で勝率40%、通算成績だと【3.0.0.3】で勝率50%をマークする。

サンデーとマキャヴェリアンの組み合わせだとヘイローのクロスができるため、この軽快なスピードが牝馬限定のマイルGIという条件にマッチするのだろう。

ちなみにこのレースで3年連続で馬券となり、3連単2070万馬券の立役者にもなった2015・16年勝ち馬ストレイトガールもサンデーとタイキシャトルを通じてヘイロー3×4のクロスを持っていた。

■ハナさえ切れればこの馬は強い

コンクシェルの母・ザナは母系の奥に引くセントクレスピン→オリオールの底力と気性難を伝えやすいため、とにかく揉まれ弱い仔を出す。この馬も基本は逃げ、逃げられないならアネモネSのように外をぶん回すしか戦略のオプションがない。

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「初音Sは3枠5番から2番手につけて勝ってるだろ!」と思われるかもしれないが、どうかレース映像を見直してほしい。センタースリールが大逃げしたレースにあって、コンクシェルは離れた2番手かつ後続馬群はもっと後ろ。要は実質逃げで勝っているのよ、そのレース。

果たして今回も逃げられるのかという点についてだが、メンバーを見ると前走で逃げたのはスタニングローズだけ。しかも舞台は2000mの大阪杯だったし、休み明けで行きたがったうえ、枠の並びでやむなく逃げたような形だった。本来は秋華賞のように好位からひと脚使う競馬が理想で、同馬がここで逃げるとは考えにくい。

同じく逃げた履歴のあるフィールシンパシーもここ最近は好位からの競馬が板についてきたので、短縮のここでハナを狙う可能性は低いだろう。

ならば楽にコンクシェルが逃げられる想定が成り立ちそう。ハナさえ切れればこの馬は強い。

マイルへの対応についても3歳夏に中京芝1600mの鞍ケ池特別で1分32秒3の好タイムを記録して逃げ切った履歴あり。3歳時に中京芝マイルで1分32秒台を記録して勝った馬は、コンクシェルを除きこれまでに4頭いるが、そのうち2頭はプログノーシスとジャスティンカフェ。

二分の一で古馬GIで馬券になると考えれば、能力の担保としては十分なものがある。

ヘイロークロスでサクサク逃げて、オリオールの底力で粘り込む。そんなレースが叶えば波乱を呼ぶ可能性は十分にありそうだ。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上
【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。