【有馬記念】秋2戦、“打倒ドウデュース”の背景にあるスローペース 持久戦に持ち込みたいダノンデサイルとともに浮上する刺客は……

【有馬記念】秋2戦、“打倒ドウデュース”の背景にあるスローペース 持久戦に持ち込みたいダノンデサイルとともに浮上する刺客は……

ドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)が秋古馬三冠制覇を目指してラストランを迎える第69回有馬記念(22日/GI、中山芝2500m)。昨年はタイトルホルダーが自分の競馬に持ち込み、前残りの流れとなったが、今年はそもそも逃げ馬が不在。鞍上・武豊の仕掛けにすべてのジョッキーが注視するだろう。対ドウデュースの各陣営の思惑が交錯する。

ゲートを出てみないとわからないのが競馬だが、ダノンデサイル(牡3、栗東・安田翔伍厩舎)は自ら動いてロンスパ戦に持ち込みたいタイプだ。

◆【有馬記念2024予想/データ攻略】「85 or 0%」の伏兵2頭 “有無を言わさず”買いたい「4.1.1.1」該当馬は

■長くいい脚を活かしたいダノンデサイル

菊花賞は2枠4番。内からロスなく立ち回れる好枠を手にしたと多くのファンが考えたが、結果は6着。内に閉じ込められ自分の競馬ができず、不完全燃焼に終わった。

「前走の菊花賞は、確固たる逃げ馬不在でスローペースこそ想定していましたが、内でごちゃついたのが全てでしたね。3歳で初の長距離、若さが響いた馬も少なくなかったですし、ダノンデサイルはそのあおりをもろに受けました。馬体重増に関しては、夏からの変化が著しかったのは確かですが、その分がレースに影響したかどうかは判断しづらい結果になってしまいましたね」(競馬ライター)

ただ、相当不利な流れで絶望的な位置から6着まで上がってきたレースぶりを見れば、やはりポテンシャルの高さは確かだ。鞍上の横山典は「かわいそうだった。これも競馬だし仕方ない内容」と、プロとして結果を受け止めながらも静かな悔しさが滲むコメントを残した。そんな一戦から、暮れのグランプリへ出走する。

Advertisement


「瞬発力勝負じゃどうか、ということもあって陣営は長くいい脚を活かしたいと話しています。ある程度の位置取りが想定されますし、自分から動いてドウデュースと武豊に真っ向勝負でしょう。武豊と横山典弘のガチンコ勝負となれば、いち競馬ファンとしてもたのしみです」(競馬ライター)

■“打倒ドウデュース”から生まれるスローペース

後半の持久力勝負へ持ち込みたい3歳馬がいる中、一発を狙うのがベラジオオペラ(牡4、栗東・上村洋行厩舎)だ。

前走・天皇賞秋は夏バテを引きずり状態不十分のなかでの出走。1枠1番を手に入れて先行する最高の形こそ取れたが、春のGIで見せた渋太さを示すことができずに6着に終わった。そこからしっかり間をあけて有馬記念に挑む。

「前走後は陣営が立て直しに注力し、今回は全然違うと太鼓判を押しているように、万全な状態で出走できそうです。調整はいつも通りのメニューですが、だからこそ違いも顕著に表れているのだと思います。ホウオウビスケッツやメイショウタバルが除外対象で、このメンバーになると枠の並びによってはハナを切ってもおかしくないですね。鞍上も鞍上ですし(横山和)。強力な末脚を持った馬を負かすには、前で凌ぎ切る走りをするしかない。その相手はドウデュースはもちろん、父が騎乗するダノンデサイルもでしょうね」(競馬ライター)

昨年の有馬記念もそうだが、この秋2戦は特に“打倒ドウデュース”のため、前が残るスローペース。天皇賞・秋は渋太さが武器のタスティエーラとホウオウビスケッツが2、3着。ジャパンCは逃げたシンエンペラーと途中からハナに立ったドゥレッツァが2着同着。逃げたことがないにも関わらず先手策を取ったシンエンペラー、自ら動いたドゥレッツァ然り、鞍上の好騎乗でもある。有力馬は差し馬に集中するものの、「ドウデュースが飲み込むから差し馬が台頭する」という結果には至っていない。むしろ逆で、強力な先行馬がいる時こそ、前が一掃されて差し追い込み馬の出番となる。イクイノックスが勝った有馬記念がまさにそうだろう。

「前に行く馬こそ鞍上の思い切りが重要で、レジェンドやベテランの父相手でも横山和騎手はそれができるジョッキーですよね。ベラジオオペラは距離への担保がない分、タイトルホルダーのようにひとり旅とはならないでしょうが、大阪杯ではローシャムパークにピッタリ併せられても微動だにしない精神力の持ち主。宝塚記念は、外々を回り確実に2200m以上を走っていますし、暮れのグランプリもこなせる可能性は十分ありますね」(競馬ライター)

ディープインパクトが2着した年は前にいたハーツクライが勝利し、レースは前残り。翌年ディープインパクトが勝った時も前残りのレースだった。最強の末脚と戦うには、やはり先行策は必須である。今回、前半スローのロンスパ勝負が濃厚となれば、ベラジオオペラがここでもアッと言わせる走りを見せてくれるのでは。

有馬記念2024 予想コラム一覧

特集

◆【特集】出走予定・ファン投票・枠順、予想オッズetc. 20年ぶりの秋古馬三冠にドウデュースが挑む お役立ち馬券攻略ガイド

◆【一覧】芸能人・予想家の「有馬記念2024」本命・注目馬予想まとめ 5人気1着アドマイヤズーム指名でGI連勝中!

◆【一覧】「有馬記念2024」大口投票パトロール アーバンシックに“100万円超連発”で一極化か 年末の大一番は「前日から盛況」

◆【有馬記念2024/サイン馬券】2024年の世相から浮上した“DB馬券”とは……願いを叶える「7個」のニュース

追い切り評価

◆【追い切り診断】前走から一変で最高評価「S」 精神面は最高潮、体調面も過去最高レベルで「今回の舞台はドンと来い」

◆【追い切り診断】GI未勝利馬に高評価「A」 前走時を凌駕する気迫と「この秋最速時計」で大駆け警戒

◆【追い切り診断】堅実に駆ける安定株に「B」の低評価 “普段はやらない”一杯追いの裏にある「気迫の物足りなさ」

データ分析・過去10年傾向

◆【データ攻略】「85 or 0%」の伏兵2頭 “有無を言わさず”買いたい「4.1.1.1」該当馬は

◆【データ攻略】アーバンシックとスタニングローズの「買い or 消し」 名手×社台系クラブ馬の2頭に“非情なジャッジ”

◆【全頭診断】ドウデュース超えの根拠となる「3.0.2.1」 想定6人気以下には「2.1.0.0」で“狙うしかない”

◆【枠順傾向】“豊さんのとなり”は本当に良いのか? 「単複回収値100超え」の伏兵が狙える好枠は……

◆【高配当メソッド】1+2人気のワンツー決着1回 「馬券内率46.2%」該当で2列目筆頭の“金脈”候補は?

◆【血統展望】ドウデュースに迫る“最高打点”を誇る穴馬 大一番で覚醒する「リファールの血」に警戒

◆【前走ローテ】ドウデュースの連覇に「0.1.1.3」の黄信号 逆転候補は“名馬の足跡”を歩む1頭

◆【有馬記念2024予想】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ”

穴馬予想

◆【穴ライズ】レガレイラとのオッズ比較で妙味たっぷりの前日“10人気”前後 中山芝2500mの攻略にフィットする

◆【穴ライズ】ドウデュースに向く展開なら、この馬も……実力上位ながら想定“8人気”前後の盲点に一発の気配

◆【危険な人気馬】競馬界を牽引した“ダービー馬”を消し メンバー充実で「易々と勝たせてくれる相手ではない」

阪神カップ2024 予想コラム一覧

◆【阪神カップ2024予想】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ