今週は中山競馬場で有馬記念(芝2500m)が行われる。数々の波乱決着が生まれてきたこの舞台。有力馬が内めの枠を引き当てた今年だが、波乱の可能性を捨てるにはまだ早い。
ここでは、過去10年データからべラジオオペラとプログノーシスにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
べラジオオペラに“馬券内率85%”の買いデータ
今年に入り大阪杯勝利、宝塚記念3着と現4歳世代のトップグループとして君臨。確かな実績を引っ提げて大一番に臨むのがべラジオオペラだ。前走天皇賞・秋は春に先着したドウデュースに完敗。再度世代レベルに疑問を投げかける声もあるが、以下データを見れば印象が一変するはずだ。
・右回りの成績【4.1.1.1】
この条件での馬券内率は85%。べラジオオペラ×右回りは“買わない理由がない”とのデータが出現した。シンプルな切り口ではあるものの、見逃せない好走データと言えるだろう。
サウンズオブアースやサートゥルナーリア、タイトルホルダーなど左回りで凡走→右回りで一変をはたした人気盲点の好走が目立つ有馬記念。これをひとつの穴パターンとしたとき、今年の該当馬は間違いなくべラジオオペラだ。先行馬にとって競馬がしやすい3枠5番と右回り替わりで迎える今回、大物喰いの期待も高まる1頭だ。
■プログノーシスに【0.0.0.26】の鬼門データ
その一方で、マイナスデータに該当してしまうのはプログノーシス。香港最強馬ロマンチックウォリアーと激闘を繰り広げた実績と、2019年の有馬記念勝ち馬リスグラシューと同じコックスプレートから臨むローテーションは不気味に映るが、今回は年齢がネックとなる。
・年齢6歳以上かつGI未勝利【0.0.0.26】
これだけの頭数が出走しながら、馬券内に入った馬はゼロ。近年の有馬記念においてGI未勝利×6歳以上は目も当てられない成績となってしまっているのだ。
厳しいデータに加えて今回は、自身初の中山競馬場。トリッキーな舞台に対する不安要素も発生する点を踏まえたとき、“消し”のジャッジが妥当と捉えたい。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。