【有馬記念/全頭診断】ドウデュース超えの根拠となる「3.0.2.1」 想定6人気以下には「2.1.0.0」で“狙うしかない”

【有馬記念/全頭診断】ドウデュース超えの根拠となる「3.0.2.1」 想定6人気以下には「2.1.0.0」で“狙うしかない”

今週は中山競馬場で、第69回有馬記念(GI、芝2500m)が行われる。悲喜こもごもの公開枠順抽選会が終わり、いよいよ大一番に向けてムードが高まってきた。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

 

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■有馬記念2024 出走予定馬全頭診断

・1枠1番 ダノンデサイル

ダービー馬の称号を引っ提げて臨んだ前走菊花賞。結果は6着も【8-9-14-15】の道中通過順が示すように勝負どころでスムーズさを欠いた参考外の一戦だ。不完全燃焼だった当時と同じ競馬はしたくないだろうし、日本ダービーではいったんはハナをうかがおうかというダッシュ力を披露。個人的には逃げ、もしくは4角先頭の積極策を鞍上・横山典弘が仕掛けてくるとみており、その競馬ならドウデュース相手でも大金星の可能性は十分だ。

・1枠2番 ドウデュース

天皇賞秋→ジャパンCと秋のGIシリーズを連勝。秋古馬三冠に王手をかけた本レースは同馬の引退レースでもある。前年覇者の適性を疑う余地はなく、秋競馬3戦目でも状態面に目立った不安なし。本命級の評価も考えたいところだが……個人的な印象として3歳時、4歳時との比較で特段強くなったとの感覚は抱いていない。前走は同斤量かつ海外遠征帰りのドゥレッツァとタイム差なし。後方待機策の脚質が定まったからこそ、やはり差し損ねのリスクは伴う1頭。そのあたりを考慮した印を打ちたい。

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・2枠3番 アーバンシック

過去10年の有馬記念において、前走GI勝ちの3歳馬は【3.0.2.1】。目下の勢いは古馬相手にも通用する可能性大とのデータだ。この馬の近2走を振り返ると、セントライト記念は右回りの中山で4角7番手、菊花賞は7枠13番から4角3番手に押し上げ2着に0秒4差と“覚醒”の二文字がよく似合うパフォーマンス。暮れのタフな中山芝を考えたとき、500キロ超の雄大な馬格もアドバンテージとなりそうだ。

・2枠4番 ブローザホーン

春のグランプリ覇者だが、秋競馬は精彩を欠くパフォーマンスに終始。2戦2勝の得意舞台とはいえ、一変を望むのは酷に映る。

・3枠5番 べラジオオペラ

前走天皇賞・秋は6着。陣営も示唆していたように酷暑を経て状態面に不安を抱えていたなか、勝ち馬と0秒4差なら悲観する内容ではない。良馬場の右回り成績【2.1.0.0】もさることながら、近親には有馬記念2年連続3着のエアシェイディ、ホープフルS勝ち馬エアシャカール、エアアンセムと暮れの中山巧者がズラリ。ここは買いの一手だとみている。

・3枠6番 ローシャムパーク

前走BCターフは僅差の2着と健闘。2400mの距離に対するメドを立てたのは有馬記念を使うにあたって好材料と言えそうだ。とはいえ国内に限定すると、常に折り合いに対する不安を抱える馬。テンにいけないマクリ差し脚質での上位進出は難しいと言わざるを得ない。

・4枠7番 スターズオンアース

昨年の本レース2着馬。まさにルメール・マジックと呼べる好騎乗だったが、近2走は馬券外が続いてしまっている。それでも前走ジャパンCは8カ月の休み明けで勝ち馬と0秒6差なら及第点と言えるし、トゥザグローリーやタップダンスシチー、エアシェイディなど前走馬券外から2年連続好走をはたしたケースも多数。何らかの印は必要か。

・4枠8番 レガレイラ

昨年12月のホープフルS勝ち馬。牡馬相手でのパフォーマンスは賞賛されるべきだが、今年は4戦すべて馬券外と精彩を欠いている点は気がかりだ。牝馬限定戦に矛先を向けた近2走も5着続き。各世代から一線級の牡馬が揃ったここは厳しい戦いが予想される。

・5枠9番 ディープボンド

2023年以降の馬券内は京都芝外回りに限定。同コース特有の下り坂で徐々にスピードを乗せるタイプへとシフトチェンジしており、この舞台での好走は難しい注文と言えそうだ。

・5枠10番 プログノーシス

芝中距離路線を主戦場としていた馬が、ここにきて芝2500mへの距離延長。陣営としても適性ありと見込んだ参戦と思われるが、国内では12頭立て以下と比較的手ごろな頭数でも道中10番手以下がデフォルトだ。今回は海外遠征帰りかつ中山未経験でもあり、強調材料は乏しい。

・6枠11番 ジャスティンパレス

関東圏への輸送が続いた近2走はいずれも馬体重減。この秋は坂路中心の調教を進めているが、陣営がウッドを長めに追われることによる大幅馬体重減のリスクを感じている、との捉え方もありそうだ。有馬記念では2年連続馬券外。中途半端に押さえるぐらいならバッサリ切るのも手か。

・6枠12番 シュトルーヴェ

当舞台の重賞・日経賞勝ち馬。そのコース適性は魅力も、GIを使われた近2走が力差を感じる内容。ここも苦戦は必至か。

・7枠13番 スタニングローズ

前走エリザベス女王杯は復活の勝利。早め先頭から2着に2馬身差は完勝と言える内容だろう。当時が完璧なレース運びゆえ乗り替わりの影響がどうかも、中山芝は3戦2勝の得意舞台。3着のゾーンでケアしたい。

・7枠14番 ダノンベルーガ

得意の東京でも掲示板外が続く近走。厳しい。

・8枠15番 ハヤヤッコ

8歳にして重賞2勝目のタイトルを手にした前走。その走りには頭が下がる思いだが、2度使われた中山芝はいずれも馬券外に敗れていた。舞台替わりがプラスに働くとは思えない。

・8枠16番 シャフリヤール

1枠2番から最高の競馬ができた昨年も5着が精いっぱい。近年は海外競馬でこそ狙うべき馬となっており、ここでの馬券内突入は至難の業か。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年12月19日 18:03公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。