【MLB】大谷翔平も投球の軸に、スライダー系が全盛期の近代メジャーリーグ 球種割合で計測史上最高「22.3%」

 

H.Ariga/SPREAD編集部

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ドジャース・大谷翔平
ドジャース・大谷翔平(C)Getty Images

MLB公式の分析システム『スタットキャスト』が導入されて、今季で10年目。新たな指標が年々追加され、選手のパフォーマンスがより鮮明に掘り下げられる時代となった。

投手の平均球速は上昇し、今季はフォーシームがリーグ全体で過去最高の94.3マイル(約151.7キロ)を計測。投球解析が始まった2008年の91.9マイル(約147.8キロ)から、わずか16年で2.4マイル(約3.9キロ)も上昇した。球種割合にも大きな変化が見られ、スライダー系が主流に。かつて大流行した小さく曲がる変化球シンカー(ツーシーム)は、年々減少している。

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■強打者対策にスイーパーが流行

MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、今季はフォーシームの割合が投球全体の「31.8%」を記録。2008年以降では最少に留まった一方で、平均球速は過去最高を計測した。

イチロー氏や松井秀喜氏らがプレーした時代に猛威をふるったシンカー(ツーシーム)は、2010年の24.9%をピークに減少を続け、今季は「15.9%」に。直近5年間では15%台を推移している。

近年、もっとも注目を集めている球種がスライダー系だ。とりわけ横変化が大きいものは「スイーパー」と定義され、多くの投手が使用。アッパー気味のスイングで打球に角度をつける強打者が激増し、その対策として選ばれたのが流行の一端を担っている。

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来季から二刀流に復帰するドジャース大谷翔平投手も、2022年は投球割合の37.4%、翌23年も35.2%でもっとも多く投げている投手のひとり。通常のスライダーとスラーブ(※カーブとスライダーの中間種)を含めると、今季はリーグ全体でスライダー系が「22.3%」まで増加。16年間で8%以上も上昇し、計測史上過去最高を更新している。

分業化とデータ解析が進み、近年ますます質の高い投球が求められるようになった投手たち。増加する故障との因果関係も調査が始まっており、球種に関する話題も様々な議論が挙がっている。

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