【MLB】投球テンポ“メジャー最遅”は松井裕樹 ピッチクロック定着、平均試合時間「2時間38分」は63年ぶりの水準に

 

H.Ariga/SPREAD編集部

パドレスの松井裕樹
パドレスの松井裕樹(C)ロイター/USA TODAY Sports

2024年のメジャーリーグは、ナ・リーグ西地区の名門ドジャースが4年ぶり8回目の世界一を奪還して幕を閉じた。

ロブ・マンフレッド氏がコミッショナーに就任してから10年。タイブレーク制にプレーオフ枠の拡大、将来的にはロボット審判導入も検討されており、近年大胆な改革が続いている。昨季はピッチクロックが導入され、今季は走者ありの場面で制限時間がさらに短くなった。今季の平均試合時間は「2時間38分」で、2年間で27分の短縮が実現している。

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■ルール変更で大幅な時間短縮に

「ピッチクロック」とは、投球間隔などに時間制限を設けるルール。メジャーリーグで導入された昨季は、投手は走者なしで15秒以内、ありの場合は20秒以内に投球を開始しなければならなかったが、今季からは「走者ありで18秒」に変更された。1打席につき牽制球は3度までで(3度目はアウトにできなければボーク)、ファン層拡大のための試合時間短縮を目指して行われた。

米データサイト『Baseball Reference』によると、今季メジャーリーグ全体の平均試合時間は「2時間38分(9回限定では2時間36分)」を計測。2022年は3時間5分だったが、昨季のピッチクロック導入に伴って2時間42分まで大幅に短縮。今季はさらにスピーディーな展開が増え、2時間30分台を記録したのは1981年以来「63年ぶり」となった。

■山本由伸は「走者なし」で平均8.6秒

MLB公式の記録では、今季投手によるピッチクロック違反は計475件。もっとも多いのがアストロズの27件、少ないのがアスレチックスとロッキーズの7件と大きな開きが見られた。選手別の投球テンポを比較すると、もっとも長い時間をかけているのが、走者なしの場面でパドレスの松井裕樹投手で平均「13.3秒」。走者ありの場面では、ナックルボーラーが武器の同僚マット・ウォルドロン投手の「16.5秒」だった。

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そのほかでは、松井の同僚ダルビッシュ有投手が走者なしで12.7秒のメジャー最遅3位タイ、走者ありで14.9秒の同9位に。ドジャースの山本由伸投手が8.6秒と13.6秒、カブスの今永昇太投手が10.6秒と13.4秒を計測。同じ日本選手でも、投球テンポにはかなりの違いがあるようだ。

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