米メディア『FOXスポーツ』は21日(日本時間22日)、「スーパーチームと化したドジャースは野球界にとって悪なのか? サラリーキャップ(年俸総額上限)の導入時期が来ているのか?」と題して記事を公開。昨季ワールドシリーズを制覇し、今オフの補強でも“独り勝ち”となっているドジャースについて、記者が討論を繰り広げた。
◆226発大砲や名三塁手も…実績十分でもなぜ“去就未定”? FA市場で新天地が決まらない大物選手たち
■「成功理由はお金だけではない」
昨オフに続き、今オフも大型補強を続けるドジャース。2025年の給与総額は3億8000万ドル(約592億2500万円)以上となり、他球団を凌駕するロースターを作り上げている。
“一人勝ち”状態となっている世界一軍団に対しては、「給与の後払い」という契約も含めて批判も少なくない。そのため、今後は戦力均衡化を促すサラリーキャップ制の導入議論も活発化しそうな雰囲気だ。
そんな中、『FOXスポーツ』のディーシャ・ソーサーとローワン・カブナーの両記者が、ドジャースの優位性は野球界にとって悪なのか、というテーマで議論を展開した。
まず、カブナー記者は「年俸の格差は野球界にとって良いことではない」と前置きした上で、「2000年代に入ってから、(ワールドシリーズを)連覇したチームはない。つまり、このスポーツにはまだ均衡がある」と現状を説明。そして「ドジャースのやり方は非難されるべきではないだろう。確かに、彼らは他のチームを上回る支出が可能だが、成功理由はお金だけではない。大物選手たちがドジャースでプレーしたいと思うのには、それだけの理由がある。チームは支出、育成、そして好機を逃さない姿勢を通じて、まさに『完璧なマシン(組織)』を作り上げてきた」とし、ドジャースのチーム作りを擁護した。
■嘆くオーナーに球団売却を促す
さらに同記者は、他チームの不甲斐なさを指摘。「レッドソックスはムーキー・ベッツ内野手に見合う金額を支払うことができたのに、そうしなかった。ブレーブスもフレディ・フリーマン内野手を引き留めるためにもっと努力することができたが、それをしなかった。エンゼルスに至っては、他の多くのチームであれば喜んで受け入れたであろうショウヘイ・オオタニへのトレードオファーに取り組みさえしなかった」と糾弾。「より大きな問題なのは、低年俸のチームが、競争力のあるチームを作るために努力をしていないということだ」と主張し、“ドジャース1強”を許しているライバル球団に問題があるとした。
ソーサー記者もカブナー記者に同意。「ドジャースのやり方は、他の29チームのファンを苛立たせているとしても野球界にとっては良いこと。なぜなら、彼らは勝利を最優先にしているからだ。カブナー記者が述べたように『資金がない』と嘆いているオーナーたちは、ドジャースのモデルを参考に自分たちのやり方を変えるべきだ。もし、それができないなら、優れた選手を育成し、クリエイティブな方法で魅力的なロースターを作ることができる人たちに球団を売却すべきだ」と熱く語った。
◆元セーブ王のFAジャンセン、古巣ドジャース復帰に意欲と米報道 補強は完了も「どこであれプレーする準備はできている」
◆佐々木朗希と新人王を争う「怪物ライバル候補」を徹底検証 今永昇太から本塁打、プレミア12でも活躍…序盤に直接対決実現も?
◆佐々木朗希、ドジャース正式入団で米データサイトが「139イニング、10勝」予想 本拠地は“本塁打の出やすさ”30球場中2位