マリナーズは21日(日本時間22日)、米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏の背番号「51」を永久欠番にすると発表。8月9日(同10日)に、式典を開催すると伝えた。
球団の公式会見に出席したイチロー氏は、永久欠番について「サインする時に『51』がずっと使えるっていうのは、メチャクチャ嬉しい。今51歳なので、このタイミングはまた特別なものです」と少しおどけてみせた。
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■元指揮官のサービス氏を気遣う場面も
イチロー氏は、キャリアの大半をともにした背番号51に関して、「(2001年のデビュー)当時、51は特別な番号だということは当然認識していました。シアトルの街にとっても、球団にとっても、もちろんファンにとっても。この番号を汚してはいけない。51をつけたのがただの普通の選手だったら、(番号を引き継いだ)ランディ・ジョンソンに対して申し訳が立たないし、そういう覚悟は凄くありました。(その年の)オールスターでの対戦は、深く記憶に残っているシーンです」と振り返った。
米殿堂入りに際し、元同僚からの祝福があったかを問われると、「まだ(メッセージの)中身は見ていなんですけど、その中のひとつにサービス元監督からですね……スコットからあったのが凄く嬉しかったですね。監督を昨年のシーズン途中で退かれて、どのタイミングで連絡すればいいのかわからなくて、できないままでいたんですね」と明かし、現役引退時に指揮を執っていたマリナーズの元監督スコット・サービス氏の名を挙げた。
そして、「もし(ケン・グリフィー)ジュニアとマイク・スウィーニーからメッセージがなかったら説教します」と付け加え、低迷期にチームを支えた主砲ふたりに対して軽口を叩くと、この日会場に足を運んでいた名一塁手ジョン・オルルッド氏には、「今日ここにいてくれることがすごく嬉しいです。希望としては、(守備時のトレードマークだった)ヘルメットを被っててほしかった」と、会場の笑いを誘う一幕も見られた。
イチロー氏は、マリナーズ入団1年目に首位打者と盗塁王に輝き、ア・リーグ最優秀選手と新人王を同時受賞。メジャー通算19年間で3089安打を積み上げ、資格1年目での米殿堂入り。満票には1票届かなかったが、投票者99.7%の得票を集めて日本選手初の偉業を成し遂げた。
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