今週は東京競馬場でNHKマイルカップ(芝1600m)が行われる。春の3歳マイル王を決める一戦は混戦ムードの様相を呈している。
ここでは、過去10年データからマジックサンズとランスオブカオスにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
■マジックサンズに「3.1.0.0」の鉄板級データ
2歳時に札幌2歳Sを制したマジックサンズ。その後に臨んだホープフルSは惨敗も、前走皐月賞は6着と健闘をみせた。今回は初のマイル戦に加えて左回りと未知の条件替わりの一戦だが、データが下した結論は?
・前走皐月賞でひと桁着順【3.1.0.0】
該当馬4頭すべてが連対を確保。ハイレベルのクラシック一冠目において、大負けしていないという事実だけで上位争いが約束されたデータが出現しているのだ。
マジックサンズについて補足すると、前走皐月賞はレコード決着を1分57秒6で走破。例年であれば上位争いはおろか勝ち切ってもおかしくない時計だけに、当時のハイレベルぶりがうかがえる。鞍上は“生ける伝説”武豊。戦ってきた相手の比較も含め、ここは買いの一手か。
■ランスオブカオスに立ちはだかる“勝率ゼロ”
その一方で、チャーチルダウンズC勝ち馬ランスオブカオスには一筋縄ではいかないデータが。3着続きのあとに臨んだ前走は馬の間を割って抜ける勝負根性を披露し重賞V。一躍有力馬として参戦をはたす形となるが、今回の不安材料はローテーションにある。
・関東圏&左回り未経験の関西馬【0.1.1.17】
このなかにはカラクレナイ、サトノインプレッサといった当日3番人気以内に推されていた馬も該当。キャリアの浅い3歳馬とはいえ、上記2つの条件のいずれかを満たさないことには勝利から遠ざかってしまうようだ。
鞍上の吉村誠之助は2年目の騎手。すでにJRA重賞2勝と若手のなかでは群を抜く実績を残しているものの、自身は東京競馬場の騎乗経験ゼロ。人馬ともどもニュースター誕生への期待がかかるが、歴戦の猛者相手にウイニングランを成し遂げるためのハードルは高いと言わざるを得ないだろう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。