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『新語・流行語大賞』にラグビーW杯から5つノミネート それぞれの言葉の意味を紹介

『新語・流行語大賞』にラグビーW杯から5つノミネート それぞれの言葉の意味を紹介
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年末恒例の『新語・流行語大賞』のノミネート語が発表された。今回の候補には先日まで日本中を熱く盛り上げた『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』に関係する言葉も5つ含まれている。

W杯公式ツイッターはファンにアンケートを実施。日本代表の結束を表した言葉『ONE TEAM(ワンチーム)』が最も多くの票を集めた。

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それぞれの言葉を振り返ってみたい。

ONE TEAM(ワンチーム)

今大会の日本代表は約半数の選手が海外生まれ。多様なルーツやバックグラウンドを持つ選手たちが、桜のジャージに袖を通し日本のために戦った。チームをまとめるために掲げたスローガンが『ONE TEAM(ワンチーム)』だ。

日本はチーム一丸となって史上初のベスト8進出を果たした。

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ジャッカル

ラグビーで倒れた相手からボールを奪うプレーのこと。ラグビーでは両足を地面に着けて自立した状態でなければプレー権がないため、ジャッカルは必ず立った状態で行う必要がある。

直接ボールを奪えなくとも、奪われまいとした相手がボールを抱えて離すのが遅れれば、ノット・リリース・ザ・ボールの反則を取れる。

日本代表では姫野和樹選手が得意とした。

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笑わない男

感情を面に出さない稲垣啓太選手のキャッチコピー。無骨に淡々と最前列(フロントロー)の仕事をこなす職人的なプレイヤーだが、予選プールで世界ランク2位のアイルランドを撃破した試合直後には感極まって男泣き

普段あまり表情を変えない稲垣選手の見せた涙に多くのファンがもらい泣きした。

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4年に一度じゃない。一生に一度だ。

『ラグビーワールドカップ2019日本大会』の大会キャッチコピー。ラグビーW杯を日本で開催するのは、ラグビー界にとっては大きなチャレンジだった

これまでW杯はラグビーが文化として根付いた伝統国が持ち回りで開催してきた。その慣例を破って日本がアジアで初めて開催することになった。

『初めて』という体験は『一生に一度』のもので二度とはやってこない。ぜひ、スタジアムで、その熱狂と興奮を感じていただきたい」という想いが込められている。

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にわかファン

今大会は日本で開催されたため時差がない。日本代表の試合がテレビのゴールデンタイムで全国中継され、多くの日本人が「初めてラグビーの試合を見る」経験をした。その経験を通して多くの人がラグビーに魅せられファンになった

南アフリカ戦をテレビ中継したNHKでは、試合後に豊原謙二郎アナウンサーが「あえてプラスの意味を持って伝えたい」と前置きした上で、「にわかファンと呼ばれる人たちが、本当にこれだけ生まれた。これはまた本当に大きなことですよね」と発言した。

解説を務めた五郎丸歩選手も「本当にラグビーに縁がなかった方たちが全国でたくさんラグビーに携わっていただいて、この大会を盛り上げてくれた」と歓迎。ともすれば否定的な意味で使われる『にわか』という言葉だが、ファンが増えることを純粋に喜ぶ姿勢が話題となった。

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「ONE TEAM(ワンチーム)」は大会全体を象徴する言葉

日本代表のスローガンと紹介した「ONE TEAM(ワンチーム)」だが、この言葉は遡れば1995年大会で優勝した南アフリカ代表に行き着く。「スポーツにおける反アパルトヘイト(人種隔離政策)国際条約」により、南アフリカは長く国際大会から締め出されていた

だがアパルトヘイトは撤廃され、政治犯として27年間収監されていたネルソン・マンデラさんが、1994年に黒人初の大統領に就任する。南アフリカ代表は自国開催の1995年大会でついにW杯初出場を果たした。

マンデラさんの大統領就任で南アフリカの白人には緊張が走った。ここぞとばかりに報復が始まるのではと恐れたのだ。だが、マンデラ元大統領は報復ではなく『許し』と『融和』を唱えた。

その象徴になる可能性をラグビー南アフリカ代表に見出した。チームのスローガンは「ONE TEAM. ONE COUNTRY(ワンチーム ワンカントリー)」。

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大会は南アフリカがニュージーランドを接戦の末に下して優勝。優勝セレモニーでは、背番号6を着けた白人主将フランソワ・ピナールさんに、南アフリカ代表のジャージを着たマンデラ元大統領が優勝カップを手渡した。

優勝インタビューで「スタジアムに駆けつけた6万人の応援が後押しになりましたね」と言われたピナールさんは、即座に「6万人じゃない。(南アフリカ全国民の)4300万人だ」と言い直した。

スポーツの歴史に残る感動的なシーンから24年。今回のW杯では南アフリカが通算3度目の優勝を果たした。このチームを率いたのは黒人初の南アフリカ代表主将になったシヤ・コリシ選手。その背番号はピナールさんと同じ『6番』だった。

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