ヤクルト・高津臣吾新監督を支えるヘッドコーチ 宮出隆自が任された大役

「全員で1点を守る」という意識

2019年のスワローズは、勝率4割1分8厘で、5位に9ゲーム差をつけられるという屈辱のシーズンを送った。5月からは、記録的な16連敗を喫している。チーム防御率は4・78、チーム打率は2割4分4厘で、どちらもリーグ最下位だ。

ドラフト会議で星稜(石川)の奥川恭伸を指名したが、主砲のバレンティンがチームを離れた。ヘッドコーチとして、宮出はスワローズの選手たちをどう見ているのか。

「いまは、チームをしっかり見ることが大事だと思っています。現状の戦力をしっかり把握したうえで、選手ひとりひとりに何を意識させればいいのかを考えているところです。

野球はやはり守りから。ひとつのアウトを、全員で取っていかないといけない。ひとつのアウト、ひとつの進塁、ひとつの走塁、ひとつのボールを大切にすることが大事。全員で1点を守るという意識を浸透させようと思っています」

野球人としての成長をサポートしたい

メジャーリーグでも活躍した青木宣親や、3度もトリプルスリーを達成した山田哲人など完成された選手もいる。しかし、36本塁打、96打点を記録し最優秀新人に輝いた村上宗隆をはじめ、ほとんどが成長途中だ。

「プロ野球選手としてお金をもらっている以上、長所を伸ばすことと短所を補うことは同時にやらなければいけないと考えています。はじめから完璧な選手はいません。でも、うちの若い選手はどんどん伸びてきています。

選手の考えを吸い上げながら、チームをうまく回していければ。全員がしっかり力を出せるように、野球人として成長できるようにサポートしていきたい

今シーズンから、投手コーチにロサンゼルス・ドジャースなどで活躍した斉藤隆が加わった。高津監督の参謀役に加えて、コーチ陣をまとめるという難しい役割が求められている。

「ヘッドコーチとして、チームのかじ取り役をすることになります。監督とコーチの間に入って、いいクッションになりたい。専門のコーチがいて、いろいろなことを考えてくれています。技術的な部分は任せて、少し引いてチームを見ているところ。『任せるので思い切ってやって』と言っています。人間って、任されたときにものすごい力を発揮するじゃないですか。好奇心や責任感も出てくるはず

コーチになって8年目、大役を任された男の力を試されるときがきた。

≪関連記事≫

佐々木朗希を支える吉井理人コーチ 元近鉄戦士たちが重宝される理由

佐々木誠、中村良二らセンバツ出場のプロ野球OB監督 高校野球で勝てる監督の条件

著者プロフィール

元永知宏(もとながともひろ):スポーツライター

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て独立。

著書に『期待はずれのドラフト1位』『レギュラーになれないきみへ』(岩波ジュニア新書)、『殴られて野球はうまくなる!?』(講談社+α文庫)、『荒木大輔のいた1980年の甲子園』『近鉄魂とはなんだったのか?』(集英社)、『プロ野球を選ばなかった怪物たち』『野球と暴力』(イースト・プレス)など。

愛媛のスポーツマガジン『E-dge』の編集長もつとめている。


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします