厚底シューズの効果は「終わってからしっかりと検証」
練習と本番の走りは違うともいうが、練習の中では常にランニングエコノミーを心がけていると大迫選手は話す。今回のレースの中でそれができたかは分からないが、レースを振り返ってさらにいい結果につながるように考えていきたいという。
話題のナイキ社製厚底シューズに関して大会2日前の記者会見で質問されたときには、「この場は東京マラソンについての質問だと思うので、それには答えなくていいと思います」と返したが、ゴール後の記者会見では、「どれだけシューズの効果があったのかは言い切れないが、ナイキの新しいシューズを使ったのは僕らにとって強みだった」と好記録が相次いだレースを振り返ってコメントした。
大迫選手は過去にも「30km、35kmを過ぎて脚が残っている感じがする」とシューズに関する効果を語ったことがある。
「マラソンは42kmを走る以上、疲れないとは言えない。もちろんレースごとに終わった後の感じは違うんですが、終わってからその効果をしっかりと検証していきたいと思います」

撮影:山口和幸
報奨金の1億円は「これから育っていく選手のために」
日本記録更新の報奨金は1億円。大迫選手にとっては2回目の獲得となる。
「1億円をつかんだという喜びというよりは、MGCから続く緊張感のあるレースを終えてホッとしたという気持ちが強いです」と言いつつ、育成スクールや来年の主催大会開催のために使いたいという。
「これから育っていく選手のために使っていく方法もあるのかなと思います」

撮影:山口和幸
ただし世界との距離はまだある。大迫選手が日本新を出しても、優勝したビルハヌ・レゲセ選手とは1分以上の差があった。その状況を日本のトップランナーとしてどのように感じているのか。
「普段から海外を拠点とやっているし、今回はケニアで走り込んでいるので、報道陣から言われるような海外の差というとらえ方はしていません。ただ単純に自分が速くなっていくことを追求していくことを考えています。結果的に今回は4番だったのでまだまだ改善点があるということですね」

ビルハヌ・レゲセ選手 撮影:山口和幸
3月8日に開催される『びわ湖毎日マラソン』で大迫選手の記録を上回る選手がいない場合、大迫選手が東京五輪男子マラソン代表に内定する。
「びわ湖毎日が終わるまで分からないけど、現時点で東京五輪に近い存在になれたので、それらを改善して東京五輪に向けて準備していきたいと思います」
≪山口和幸≫
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