一山麻緒が掴んだ東京五輪マラソン代表 言葉を選びながら語ったさらなる目標

 

一山麻緒が掴んだ東京五輪マラソン代表 言葉を選びながら語ったさらなる目標
撮影:山口和幸

「それでも東京五輪に出たいんです」

MGCでは最年少のチャレンジャーだった。レース2日前の全選手記者会見では、大会にかける意気込みを「」という一文字で表現し、「最年少なので積極的に挑戦する走りをしたいです」と語っていた。

ワコールからはキャリアの集大成を目指す大ベテランの福士加代子選手と安藤友香選手の優勝候補もMGCに参加した。

スタート直後から一山選手が集団を抜け出す走りを見せたが、中盤までに後続集団に追いつかれ、結果的に6位。福士選手7位、安藤選手8位とワコール勢はこのとき五輪代表を逃した。

(c)Getty Images

それでも東京五輪に出たいんです

4年前にワコールに入社したのは五輪で走りたいからだった。

男女ともにトップ選手が参加する2月の丸亀ハーフではナイキの厚底シューズを駆使して優勝。勢いをつけ、さらにナイキの新製品「超厚底」を駆使して名古屋ウイメンズで勝負に出た。

Advertisement


序盤まではペースメーカーとともに走ったが、30km地点から独走を開始。アフリカ勢を振り切って独走した終盤は、序盤のペースを上回るほどのスピードだった。

福士選手は進退をかけて同じ名古屋に臨んでいたが、序盤で先頭集団から脱落すると途中リタイア。失意のゴール後も、「後輩の一山が五輪切符を手にして正直うれしい」と、この話題の時だけは笑顔を見せたという。

一山選手が名古屋でたたき出したタイムは、大会記録に加え、旧コースで高橋尚子選手がマークした2時間22分19秒、そして野口みずき選手が持っていた国内最高記録も上回った。

言葉を選びながら、高い目標を掲げる

厳しい練習で鍛え上げられた筋力が一山選手の強み。安藤選手とともに米国合宿でスピードをつけていた。

女子選手の使用については賛否が分かれる厚底シューズを効果的に使えたのも筋力があったからだという。

アフリカ勢を突き放してゴールへと力強く走る姿は、2000年シドニー五輪の高橋選手、2004年アテネ五輪の野口選手の姿をほうふつとさせるものがあると、陸連幹部も期待をかける。

連盟強化委員会の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーも、「海外勢との差はまだありますよ」と前置きした上で、「大阪国際女子マラソンで優勝した松田瑞生選手など、日本勢が外国勢を突き放して優勝するシーンが見られた。MGCがもたらした成果だと思います」と分析。一山選手がうまく調子を合わせられればメダル獲得も夢ではないことを口にしている。

「地元開催の五輪を走る日本代表として期待されるので、メダルを取りたいという気持ちはあるけど、それを言えるような自信はないので、しっかり練習をしてメダルを目指せるような力をつけてスタートしたいです

一山選手は言葉を選びながらも、高い目標を公言して、それに向けての厳しい練習もいとわないことをコメントしている。

キーワードは「スピード持久力」だ。スピードだけではない。持久力だけでもない。高いスピードを42km維持できる究極の走りだ。

「日本代表として出場するだけではなく、海外選手としっかりと勝負できるような力をつけて臨みたいです。さらなるスピード持久力を持って勝負したいです」

≪山口和幸≫

≪関連記事≫

一山麻緒、東京五輪に向けて「コツコツ」と スタートラインで自信を持つために

一山麻緒が名古屋ウィメンズマラソン優勝、五輪代表に内定「夢みたいです」

服部勇馬が五輪代表の座を掴むまで 「プレッシャーもあるけど、夢の舞台でもあるんです」

前田穂南、東京五輪に向け「自分の走りを最後まで」 語った本番への抱負

izukawaya