FIFAワールドカップ(W杯)は4年に一度行われる世界最大の大会であると同時に、選手にとっては自分をビッグクラブに売り込む場でもある。
たとえば前回ブラジル大会でも得点王に輝いたハメス・ロドリゲス選手(コロンビア代表)が、大会後に夢だったレアル・マドリードへの移籍を実現させたように、ここで活躍してステップアップを果たした選手は多い。
今大会でもロシア代表のアレクサンドル・ゴロビン選手が、早くも欧州のビッグクラブから注目されている。
開幕戦の活躍に世界が驚いた
開催国ロシアのFIFAランクは出場32ヶ国中最下位の70位。FIFAランクの発表が始まって以降、開催国が最下位だったのは初のケースであり、史上最弱のホスト国とまで呼ばれた。
だがオープニングマッチに登場したロシアは下馬評を覆すプレーを見せる。好守にバランスが良く、鋭い攻撃でサウジアラビアのゴールを脅かし、開幕戦で5-0の大勝を収めたのだ。
そして、この試合で異彩を放ったのが1ゴール、2アシストのゴロビン選手だった。
Александр Головин: "Для нас каждый матч, как последний!" pic.twitter.com/PIB7UxGDrY
— Сборная России (@TeamRussia) June 14, 2018
ゴロビン選手はシベリア南西部のカルタンという町で1996年に生まれた。FCノボクズネツクを経て、2012年に本田圭佑選手もプレーしたロシアの強豪CSKAモスクワに入団した。
幼いころにフットサルをプレーしていたゴロビン選手は足下の技術が高く、相手ゴールへ向かうドリブルやスピードが高い評価を受けている。
ロシア代表では各年代でプレーしてきた。2013年の17歳以下のUEFA欧州選手権で優勝し、17歳以下のワールドカップにも出場した。
名立たるビッグクラブからの興味にもクールに応じる
まだ22歳と若く将来性豊かなゴロビン選手には多くのクラブが注目している。昨年のうちにアーセナルの興味が報じられ、そのほかにもユベントス、マンチェスター・ユナイテッドなどビッグクラブが「ゴロビン獲得に興味」と伝えられた。
特にアーセナルは、かつてロシア出身のアンドレイ・アルシャヴィン選手が活躍したこともあり、ゴロビン選手に『アルシャビン二世』と期待をかけてきた。
初戦の活躍でFCバルセロナも争奪戦に名乗りを挙げたのではと噂されているが、ゴロビン選手本人は自国開催のW杯に集中し、そうした周囲の声は気にかけないようにしている。
「もちろんそのニュースは目にしたよ。目に入ってこないはずはないさ。どんなチームや選手についても、誰もが言いたいことを言えるものだよ」
英国メディアはゴロビン選手の移籍金を1000万ポンド(約14億7000万円)と見積もっているが、選手を放出したがらないCSKAモスクワの性格や、残りの試合での活躍によっては高騰する可能性もある。
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