■活躍が期待される国内組の注目選手
今回、第1ポイントガードは田中大貴が担う。在籍するアルバルク東京でのシューティングガードとは異なるポジションでの出場となるが、これによって日本のスタメンのサイズが大きくなり、これが大きな強みになっている。
これまで日本代表のサイズの問題はやはりディスアドバンテージだった。しかし今回、スタメンの平均身長が2メートル越えという世界基準の日本代表が誕生した。
さらにキーマンは、シーホース三河から島根スサノオマジックへ移籍した金丸晃輔だ。NBAだけでなく世界のバスケット界でトレンドとなったスリーポイントシュート。
チーム唯一のピュアシューターであり、20-21シーズンのBリーグMVPも獲得した金丸のスリーポイントシュート成功確率の高さは世界でもトップレベル。金丸のシュートが決まれば八村や渡邉のプレーするスペースも広げることができ、日本の得点チャンスは増えてくる。
もちろん金丸だけでなく、強化試合を見ていてもエドワーズや田中、比江島などは比較的自由にシュートを打てたのではないだろうか。五輪本戦では海外組だけでなく、多くの選手が得点につなげることが必要不可欠だ。
Bリーグ発足後5シーズンが経過、外国籍選手枠に各国代表経験者やNBAでのプレー経験を持つ選手が来日することも増えてきた。そのような選手たちと日頃からしのぎを削っているのだから、必然的にレベルは向上している。
■予選リーグ突破への道筋は
予選リーグではスペイン代表(ランキング2位)、スロベニア代表(16位)、アルゼンチン代表(4位)と対戦する。
日本の42位と比較するとかなりレベルの差がある印象を受ける。しかし、このランキングはW杯で勝利しないとポイントが上がらない。現在の日本はランキング以上、TOP20に入る実力が間違いなくあるだろう。渡邊もフランス戦後、自分たちは「ランキング以上の力がある」と明言していた。
では、日本は五輪本戦でも勝機があるのか。フランスのコンディションが良かったとは決して言えなかった。再び本戦でフランスと対戦したとしても同じように勝利できるかはわからない。
対戦するスペイン代表では、20-21シーズンはBリーグの千葉ジェッツでプレーしチャンピオンシップでのMVPに輝いたセバスチャン・サイズ(アルバルク東京)すらも残念ながらメンバーから落選している。本戦は厳しい戦いになることは間違いない。さらに無観客試合、ホームの利を活かしにくい。
ただフランス戦、日本リードで折り返した後半フランスはかなり本気でプレーをしていた。同点に追い付かれたのち勝ち切った日本は格段の成長を遂げている。自信をつけた日本がプライドを持って挑戦する期待値は高い。
スロベニア戦では、相手が五輪に初出場ということもあり最もチャンスがあるだろう。NBAの注目プレーヤー、ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチがいる。22歳、”神童“とも呼ばれた若きスターだ。日本は彼を徹底的にマークし自由にプレーさせなければ、勝機が見えてくるはず。
スペイン戦でも、八村や馬場を中心に速いテンポで得点を重ねたい。フランスに勝利後、決して満足せずさらに上を目指す姿勢を見せていた日本代表。
本当の戦いはこれから、史上最強の日本代表の大躍進に期待したい。
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著者プロフィール
木村英里(きむらえり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長
テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。










