【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太擁する「史上最強」日本代表の将来的課題

 

【東京五輪/バスケ】八村塁、渡邊雄太擁する「史上最強」日本代表の将来的課題
八村塁擁する日本代表は惜しくもグループリーグで敗退(C)Getty Images

■次なる指導者に求められるのは「コントロールできる求心力」

男子日本代表強化のために何かできることはないか。代表メンバーだけが国を背負って戦っているのではない。日頃のリーグ戦も全て日本代表のレベルアップに繋がっている。

今回オリンピックを観て「この舞台に立ちたい!」と夢を見た子供たちもいるだろう。Bリーグ発足後、各クラブがユース育成に取り組み始めている。この若い芽が育ち実を結ぶのはまだ先のこと。ただ、ユース育成にも力をしっかり入れて未来に繋げていくことに意味がある。対戦したアルゼンチンも過去44年間オリンピックの舞台から遠ざかっていたが、ユース育成などに取り組んできたことが現在の強さに繋がっている。

また、気になるのは代表ヘッドコーチの人選だ。

今以上に日本代表がステップアップするためには、NBAという世界トップレベルに身を置き挑戦を続ける選手たちをもコントロールできる求心力が絶対的に必要となる。そして、海外から招聘するならば言語も重要なポイントではないだろうか。コミュニケーション面においては、やはり英語が拙い指導者より英語をメインで話す指導者の方が良いように思える。その点、女子日本代表トム・ホーバスヘッドコーチは英語に加え日本語も堪能なことが強みと言える。

日本のバスケットボールや良さを知った上で、そこに世界のバスケットボールを伝え積み上げてくれる存在。かつ、より密度の濃いコミュニケーションを取ることができる指導者に日本代表を次なる高みへと導いて欲しい。

3年後、2024年パリ・オリンピックへと目が向けられがちだが、その前年、FIBAワールドカップ2023フィリピン・日本・インドネシアにて共催となる。Bリーガーにとって慣れ親しんだ沖縄アリーナが舞台。強化試合では渡邊もプレーした。今の日本代表がベースとなりメンバーは構成されるはずであり、ここにパリへの出場権もかかっている。また、そのワールドカップ出場に向け、次のステップは、すでに待った無しだ。

前回ワールドカップから2年、日本の成長を感じることができた東京オリンピックでは、女子バスケットボールの活躍にも刺激を受けた。そしてさらに次の2年、日本代表はどんな変化を遂げるのか。沖縄での地元開催というホームの利を活かし、日本代表を後押ししたい。

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日本が進む道のりは長く険しいが、自分たちの強さ、未来を信じて突き進んで欲しい。ファンのひとりとして、いつか見たことがない景色を日本代表が見せてくれる日を心待ちにしたいと思う。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長
テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。

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