【Bリーグ】悲願の制覇を胸に誓う川崎ブレイブサンダース、新シーズンも4強時代が続くか

 

■五輪から得たものとは……

川崎を率いるのは就任3シーズン目となる佐藤賢次ヘッドコーチだ。北卓也ゼネラルマネージャーがヘッドコーチ時代だった8シーズン、アシスタントコーチとして選手の育成にも丁寧に取り組んできた。

アシスタントコーチ時代から「サイズで不利でも世界で通用する選手を育てたい」と言い続けている。今回、横浜戦後の会見でも「Bリーグ優勝以外にも、選手を育てて日本のバスケットボールを強くしていかなければならない。決意を持って取り組む」と熱く語っていた。

日本代表として川崎の選手が五輪の舞台に立つことはなかったが、サポートコーチ兼通訳として勝久ジェフリーアシスタントコーチが帯同していた。「世界の強豪国との差はシュートを決め切る力」など、勝久アシスタントコーチの経験は五輪後チームに多くのものをもたらせているという。

今シーズンのチームコンセプトには、佐藤ヘッドコーチも五輪を見ていて最も感じたという「目の前の一瞬の隙を世界は見逃さない。一人一人が絶対逃さず周りも連動する」ことを取り入れた。

■チームへのカンフル剤となる移籍

篠山は33歳、ファジーカスは36歳。年齢的に考えても現メンバーで優勝を果たせる機会はもう限られている。「B.LEAGUE AWARD SHOW 2019−20」そして「B.LEAGUE AWARD SHOW 20−21」ともに個人賞三冠を達成(19−20シーズンは「ベスト5」「ベスト6thマン賞」「ベストディフェンダー賞」、20−21シーズンは「ベスト5」「ベストディフェンダー賞」「ベストタフショット賞」をそれぞれ受賞)、Bリーグファンを驚かせた藤井祐眞も29歳になり、すっかりリーグを代表するベテラン選手の一人に成長を遂げた。

今オフ、篠山らと共に日本代表として活躍したシューターの辻直人広島ドラゴンフライズへ移籍しBリーグファンを驚かせた。そして同じくシューターの大塚裕土も今シーズンからB3リーグへ参入するアルティーリ千葉へと移籍した。

代わって、欧州リーグなどで活躍してきたマット・ジャニングや、富山グラウジーズから24歳の前田悟などを獲得した。前田は19−20シーズンに新人賞に輝いている。前田の3ポイントシュートの成功数と成功率を見てみるとBリーグでは2シーズン連続でトップ10に入っている。まさに日本バスケットボールのこれからを担うべき一人と言える。

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リーグ屈指のシューターが移籍でチームを離れていったこと、勢いのある若手の加入は川崎にとって良いカンフル剤となりそうだ。昨シーズンまで「隣に辻や大塚がいると思わずパスをしてしまうシーンがあった。あなた達も打てる、できるでしょうと思っていた」と佐藤ヘッドコーチは振り返る。

しかし、今その頼るべきシューターはいない。各選手が責任感を持ちシュートを打ち抜いていく姿勢や意識は横浜戦でも垣間見ることができた。

さらに前田の加入がチーム内競争を刺激する。試合後の会見でも「コーチに求められることをするのがプロ」としながらもスタメンへのこだわりを覗かせていた。昨シーズン在籍していた富山はチャンピオンシップに進出しクォーターファイナルで琉球ゴールデンキングスと対戦した。残念ながらセミファイナル進出を果たせなかった。その際に「ルーズボールや球際の強さ、さらにディフェンスの強度など」に差を感じたと語る。

その悔しさから「もうワンランク、ツーランク上を目指したい」と、かねてから憧れていた川崎への移籍を決断した。前田は「最大の武器はスリーポイントシュート。川崎ではボールハンドラーにも挑戦したい、プレーの幅を広げたい」と力を込めた。そこにはチャンピオンシップでの経験だけでなく、五輪を見ながら世界の舞台で戦う選手には「スリーポイントシュートともう一つの何か」武器があると感じたことも影響している。

Bリーグ制覇だけでなく世界で戦う選手を育て、日本のバスケットボールをさらに強くしていくと強い決意を持ったコーチ陣の下、前田がどう成長していくのかも楽しみにしたい。


izukawaya