今週は上半期の総決算、春のグランプリ第67回宝塚記念(GI、芝2200m)が阪神競馬場で行われる。
今年は、春の古馬中長距離GI3連勝を狙うクロワデュノールをはじめ、ディフェンディングチャンピオンのメイショウタバルや、秋春グランプリ連覇を目指すミュージアムマイル、そしてダノンデサイルにレガレイラと、GI馬5頭が参戦する好メンバー。逆転を狙う他陣営も強者が揃い、春のグランプリを飾るのにふさわしい戦いが見られそうだ。
そんな中、GI3勝目を目指すミュージアムマイルが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■有馬からのぶっつけで勝利ゼロ
昨年は皐月賞でクラシック1冠目を制したミュージアムマイル。ダービーは7着に敗れたが、秋は古馬との戦いに転じ、天皇賞(秋)ではマスカレードボールと差のない2着に好走、有馬記念では、ダノンデサイルやレガレイラなどを封じる快勝劇で、見事にグランプリ制覇を果たした。今回は同期のクロワデュノールと久々の激突で、ライバル撃破に大いなる期待がかかる。
とはいえ、今年は順調にレースを使えなかったのは大きな誤算。ドバイ遠征、香港遠征と立て続けに断念せざるを得ず、有馬以来5カ月ぶりの実践という点はマイナス材料だろう。1986年以降の宝塚記念で、有馬からぶっつけで臨んだ馬の成績は【0.1.1.3】で、勝った例はない。
ミュージアムマイルと同様、有馬1着から臨んだ2003年シンボリクリスエス(1人気5着)や、05年ゼンノロブロイ(2人気3着)、記憶に新しい昨年のレガレイラ(2人気11着)と、宝塚で人気を集めるも、その期待に応えられなかった。上半期で少なくとも1戦、順調に使われてきた馬のほうに分がある。
戦法の面では、宝塚記念は阪神の内回りで開催されるため、2024年京都開催を除く過去9回、勝ち馬の4角平均の通過順は3.7番手で、勝つためには先行力が大きな武器となる。ミュージアムマイルは、中団後方から長く脚を使うレースで結果を残してきたタイプ。中山でGI2勝しており、初めての阪神でも対応は可能だろうが、それでも、過去と同様に後方から進める戦法なら、前を捕まえることができず、というシーンも考えられる。
■血統面、乗り替わりも割引材料
血統面では、リオンディーズ産駒は芝で重賞11勝をマークしているが、その内訳を見てみると、1~4月や9~12月に良績が集中しており、比較的寒い時期に結果を残している。5~6月の芝重賞は【0.0.3.15】と、信頼度は低く、産駒全体でも、24年5月は勝率1.8%、同6月3.5%、25年6月3.7%など、この時期の勝ち上がりは極端に悪い。このあたり、ミュージアムマイルにとっても減点材料といえる。
今回はダービーでコンビを組んだ名手レーンとの再タッグとなるが、過去10年の宝塚で、乗り替わりは【2.3.3.64】と、継続騎乗より大きく分が悪い。加えて初となる58キロの斤量も、どこまで影響を及ぼすだろうか。ミュージアムマイルはクロワデュノール逆転へ最右翼の存在となるが、ローテ面や位置取りの不安、血統面など、人気ほど信頼できる要素が少なく、妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。












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