今週は夏競馬唯一のGII、第62回札幌記念(GII、芝2000m)が札幌競馬場で行われる。
今年は、天皇賞(春)3着のアドマイヤテラ、昨年の日本ダービー3着ショウヘイと、友道勢2騎が主役の様相。加えて、香港帰りのローシャムパークや、今年の金鯱賞を制したシェイクユアハート、札幌2歳S勝ちの実績があるマジックサンズなど、重賞ウイナーが10頭エントリー。そのほか、重賞常連のエコロヴァルツや、上がり馬サクラファレルなども虎視眈々で、GIIらしい好メンバーが揃った。
そんな中、重賞2勝のアドマイヤテラが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■臨戦過程からは1番人気で惜敗の可能性大か…
今年は阪神大賞典を快勝し、前走の天皇賞(春)では勝ったクロワデュノールからコンマ1秒差の3着と、長距離戦線でトップクラスの実力を示しているアドマイヤテラ。今秋は凱旋門賞への参戦を予定しており、そのステップとして、札幌記念では好結果を出したいところだ。
実績面で、おそらく1番人気に支持されることが濃厚な同馬だが、近年の札幌記念は、GI馬が多く参戦しているにも関わらず、意外と1番人気の馬が勝てていない。過去10年は【0.3.3.4】の成績で、2011年にトーセンジョーダンが勝って以降、14年間も勝利に見放されている。その間、1番人気のGI未勝利馬に絞ると【0.0.1.3】で連にも絡んでいない。果たして、今年のアドマイヤテラはジンクスを打破できるだろうか。
前走が天皇賞(春)という点も、決して歓迎材料ではない。芝3200mから芝2000mへ一気の距離短縮となり、このステップを踏む馬は少ないが、過去40年まで遡っても【1.0.3.7】の成績で、勝ったのは1999年セイウンスカイのみ。10年マイネルキッツ(天皇賞・春2着→札幌記念7着)や、2019年フィエールマン(天皇賞・春1着→札幌記念3着)など、天皇賞(春)好走馬も勝ち切ることができておらず、距離短縮への適応力も問われる戦いとなる。
■父の産駒の札幌成績は全10場で最悪
血統面では、父レイデオロ産駒は徐々に重賞でも結果を出し始めているが、産駒のデビュー以来、札幌芝での成績は【3.9.3.37】で、やや勝ち味に遅く、勝率5.8%は全10場の中でワースト1位。また、父系からも、札幌記念でキングカメハメハ系の成績は【1.3.2.20】で、出走数の割には勝てておらず、相性の悪さは否めない。
アドマイヤテラは芝2000mで3戦2勝と勝っている条件ではあるが、3歳時以来、久々の距離となり、その対応力も求められる。加えて、今回は乗り慣れた武豊から、テン乗り坂井に替わる点も、決してプラスではないだろう。加えて臨戦過程や血統面など、不安要素は多く、傾向通り1番人気で惜敗、というシーンが目に浮かぶ。そのため、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。
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