【プロ野球/戦力分析】連覇を狙うヤクルトに潜む“死角”とは 控え層の薄さと守備力には不安あり

前年最下位から2001年以来となる日本シリーズ制覇を達成したヤクルト。セ・リーグのチームでは12年の巨人以来の日本一となった原動力が、村上宗隆山田哲人を中心とした強力打線だった。1992、93年以来のリーグ連覇、そして球団史上初となる2年連続日本一を狙う今季のヤクルトの戦力を分析していきたい。

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■期待がかかる奥川・高橋の2本柱

【投手力】

★★★★☆

躍進の要因となったリリーフ陣は今年も健在。クローザーのマクガフを中心に72試合登板で歴代最多の50ホールドをマークした清水昇、64試合登板の今野龍太、抑え経験もある石山泰稚と4人が50試合以上登板。他にも大西広樹坂本光士郎大下佑馬の中堅に加え、昨季途中に配置転換で成功した田口麗斗など多彩な顔ぶれが揃う。登板過多による蓄積疲労の心配はあるが、昨季故障などで途中離脱した近藤弘樹梅野雄吾山野太一らの復帰も見込まれる。

先発陣は、昨季覚醒の兆しを見せた奥川恭伸高橋奎二に左右2本柱の期待がかかる。小川泰弘石川雅規などの実績組に加え、原樹理寺島成輝などエース候補と期待される投手の奮起やA.J.コールスアレスの新外国人2人の出来もチームの行方を左右することになりそうだ。

【打力】

★★★★★

12球団でもダントツの625得点を叩き出した打撃陣は、今や球界を代表する存在となった村上と山田の最強コンビや青木宣親など不動のレギュラーが名を連ねるスタメン。サンタナオスナの両外国人が機能し、さらにリードオフマンとしてブレイクを果たした塩見泰隆、下位で光る活躍を見せた西浦直亨、捕手で2番も任された中村悠平など、打線のつながりが大きな得点力を生み出した。

代打にも“神様”的な存在となった川端慎吾がいるが、レギュラー陣に比べて、やや不安が残るのが控え選手の層の薄さか。主力以外で一定期間スタメンを任されたのは内野で元山優飛、外野では山崎晃太朗ぐらいで、将来の主軸に期待されている宮本丈中山翔太、イースタンリーグで首位打者に輝いた太田賢吾、さらにベテランの坂口智隆内川聖一などがレギュラー陣を脅かす存在になることが期待される。

【機動力】

★★★★☆

昨シーズンの盗塁数はリーグ2位の70個で、リーグ3位の21盗塁をマークした塩見を筆頭に山崎、元山など機動力の高い選手が多いが、トリプルスリー経験者の山田や、実はチーム2位の12盗塁をマークしている村上、さらにはサンタナとオスナの両外国人も盗塁を記録するなど、チーム全体で走塁への意識が高い。

二軍には1年目でイースタン2位タイの20盗塁をマークした並木秀尊もおり、スペシャリストの期待もかかる。

【守備力】

★★★☆☆

昨シーズンのチーム失策数は79でリーグ4位。個人では三塁手の村上が13とチームワーストで、主に一塁を守ったオスナが12(一塁では10)、遊撃手の西浦も10と、内野守備にはやや不安が残る。外野もサンタナはお世辞にも名手とは言えず、青木も年齢的に守備範囲には限界があり、センターの塩見に負担がかかる布陣となっている。

捕手は中村がリード面も含めて守備の要としてリーグ屈指の存在となったが、盗塁阻止率が.255と低いのが難点だ。内外野を守れる荒木貴裕が守備固めなどで貴重な存在となっているが、スペシャリスト的な選手は少ない。

【采配】

★★★★☆

日本一となった要因として、就任2年目となった高津臣吾監督の力も高く評価されている。「絶対大丈夫」をモットーに選手からの信頼は厚く、特に投手起用では登板間隔などを配慮した采配で奥川と高橋の若手2人の才能を開花させた。

さらにシーズン前半は先発だった田口とスアレスを配置転換させてリリーフ陣が苦しくなるシーズン終盤を乗り切った。ポストシーズンの先発投手起用は明らかに今季以降を意識したもので、常勝軍団を築き上げることができるか、3年目の采配が注目される。

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記事提供:ベースボール・タイムズ
データ提供:野球DB


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