【Bリーグ】川崎のファンタシースポーツ仕掛け人・藤掛直人さん 「勝っても負けても楽しめる」後編

 

【Bリーグ】川崎のファンタシースポーツ仕掛け人・藤掛直人さん 「勝っても負けても楽しめる」後編
(C)KAWASAKI BRAVE THUNDERS

■一つのチームに絞った理由

ではなぜ、川崎ブレイブサンダースというクラブ単体でのゲームなのか。

「一般的なファンタジースポーツや活躍予想ゲームは複数チームから選んだ自分の最強チームを楽しむ。しかし同時に試合が複数行われているため、すべてをリアルタイムに観戦することはできず、試合後に結果や活躍の確認をすることになる。それでは試合を観戦しながら一喜一憂できない。観戦を楽しむという点では最適化されていないのではないか」と日頃から感じていた。あえて一つのチームに絞ることで「選手のシュートやリバウンドなどの活躍を、リアルタイムに熱狂しながら楽しむことができる」ゲームとなった。

藤掛さんが憂いていた、点差が離れてしまった試合でも、このゲームがあれば各選手の活躍に注目したり、自分の予想と友人の予想で競争したりと新たな楽しみの軸を生み出すことができる。どんな時でも熱狂し、楽しみ、試合に集中できるということが実現されるカラクリだ。

もちろん「川崎を日頃から応援していただいている方に楽しんで欲しい、その上でこのゲームはバスケットボールに興味がない方でも楽しめるので、PICKFIVEをきっかけにバスケットボールを好きになり観戦に来て欲しい」と期待も込める。

右下の選手が藤井選手(木村英里さんが「PICKFIVE」にて選んだ選手たち)

「様々な取り組みでファンが増え、観戦をより楽しめるようにしたい。他のクラブやスポーツへ広がり、スポーツ界が盛り上がる一助になれたら」と語る。前述の通り、この短期間でスポーツ界のSNS部門でもトップを走り、話題を多く提供してきた。しかしクラブの「認知度はまだまだ」と冷静だ。「プロ野球やサッカーに比べて、もっともっとファンを増やしていかなければ」と常に感じている。その中で、SNSや「PICKFIVE」で得た手応え。「これまではアリーナという物理的な箱の中で制限があったが、物理的な制約がない、成長の余地のある世界がいくつもある」と強く感じている。

藤掛さんはこれまでのマーケティングやデジタル戦略をまとめた書籍『ファンをつくる力(仮題)』(日経BP社)を5月12日に上梓する。この本では「ファンを作る力」について論じられている。「先日の天皇杯決勝の舞台には、Bリーグ初年度のリーグ戦決勝の時と比べて多くのファンが来場し、その後押しで優勝することができた。そして、ファンを増やせたことが、勝利だけでなく事業成果にも話題にも繋がった。SNSが発達した今の時代、スポーツだけでなく、あらゆる商品、サービス、個人にとってファンという存在が益々重要になってくる」と語る。

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SNS界でも強さを発揮し、新たなゲームも誕生させた藤掛さんならではの「ファンをつくるということを分解して再現可能な手法として論じた」という内容は、スポーツビジネスに閉じずに様々な分野の方の参考にもなるだろう。さらに「川崎ブレイブサンダースの事例をふんだんに織り交ぜているのでファンも楽しめる」書籍とのことだ。

藤掛さんが今後、どんな新たな企画を展開していくのかも、川崎とともに注目していきたい。

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◆【著者プロフィール】木村英里 記事一覧

■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。

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