【Bリーグ】広島ドラゴンフライズ移籍の辻直人が川崎ブレイブサンダース戦で痛感した古巣・旧友たちの「壁」

 

【Bリーグ】広島ドラゴンフライズ移籍の辻直人が川崎ブレイブサンダース戦で痛感した古巣・旧友たちの「壁」
広島ドラゴンフライズでプレーする辻直人 撮影:Shinji Fujiwara

■元チームメートも「本当に広島に行ったんだ」と実感

今シーズン、川崎から広島へは辻だけでなく青木保憲も共に移籍をした。この連戦を迎える前、「辻かぁ、ヤス(青木)かぁという気持ちだった」と普段の試合とは違う感覚を持ちながら広島入りをした。篠山にとって辻は9シーズンと長きに渡り共に戦った仲間。「ユニフォームの色が変わってもまだ見慣れなかった」が、コート上で向き合った瞬間「あぁ、本当に広島に行ったんだなと実感していた」という。

それはまさに「大きな決断」だった。「自分を変えるには環境を変えるしかない」と覚悟を持ち移籍を決めた。広島に移籍が決まったのは、昨シーズン中のことだった。「昨シーズン、広島は最下位と苦しんでいた。東芝入団当時も最下位でそこから這い上がった。当時と同じ思いを持って移籍したが、そう簡単にはいかなかった」と振り返る今シーズン。

背中でチームを牽引 エース辻直人のシュート 撮影:Shinji Fujiwara

開幕当初は「自分がチームを『引っ張るのだ』と全面に出しプレーしていた」が、シーズンが進めば、調子の波も生まれるし対策もされる。振り返ってみると川崎時代「そんな時でもみんなが同じ方向を向いていた」ことに気が付いた。だからこそ自分のプレーに集中するエゴを出すこともできた。今節も、GAME1は辻の活躍もあり広島がリードした時間があった。それでも「川崎には追い上げムードの中から勝ち切る力もあるし、GAME2では点差が開けば突き放す力もある。対戦して改めてそこには作り上げられた文化があり、核となる部分があるのだ」と感じたという。

では、その文化をどう作り上げていけばよいのか。

常に試合と変わりなく質を高め、激しい競争心を持ち、全員が高い目標に向けて邁進する。辻は「日頃の練習や雰囲気作りから変えていくことが重要だ。川崎で学んだことは大きかった」と初めて古巣と対戦し痛感した。外から見たからこそ、敵として戦ったからこそ知ることがある。

ただそれだけではなかった。どんな時も「引っ張ってくれる存在がいた」と、昨シーズンまで川崎でキャプテンを務めていた篠山のことが思い浮かんだ。チームを、プレーだけでなく言動や行動などで牽引できる存在。精神面でも支えられていた。

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今後は、今以上に辻にはプレー面も精神面もチームをまとめ牽引することが求められるのだろう。川崎では絶大なキャプテンシーを持った篠山という存在に頼っていた。でもそんな姿を最も近くで見ていたからこそ、辻は「仲間に声を掛けることやそのタイミング、ヘッドコーチやクラブへの働き掛けの重要性」を誰よりも理解している。「とても大変なことを長く続けていたのか」と篠山のすごさも改めて感じた。自分やチームにとって必要なものが明確となった今、どう行動を起こすのか見守りたい。培った経験を広島という新天地で最大限に活かすことを誓う。
  

izukawaya