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【Bリーグ】とどろきアリーナ大声援を受け6季目のリベンジに挑む川崎ブレイブサンダース

 

【Bリーグ】とどろきアリーナ大声援を受け6季目のリベンジに挑む川崎ブレイブサンダース
川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカス選手(C)Getty Images

■増田啓介ら若手の活躍にも注目

この大一番で、ヒーローとなる若手選手の更なる飛躍も欠かせない。24歳の増田啓介は、筑波大学在籍時から特別強化指定選手としてプレーをしている。人懐こい笑顔とは裏腹に相手に臆することなく果敢に挑んでいく姿は頼もしくファンの目には映っていることだろう。一見、線が細く見えるが、相手を選ばず体をぶつけていく。どこからともなく現れる増田は、ゴール下で合わせてシュートを決めることが上手い。そして何より物おじしない。

3月に勝ち取った天皇杯決勝という大舞台でも増田はまったく変わらなかった。というよりも、どこか楽しそうにプレーをする姿が印象的だった。おそらく、ホームでのこのセミファイナルも増田らしいプレーを披露するだろうが、チームを勝利に導くことができるのか、増田の更なる成長が鍵となるはずだ。対する宇都宮にも急成長を遂げた荒谷裕秀がいる。ぜひ、大舞台で輝く若手選手たちにも注目してほしい。

■「リバウンド」を制し本拠地でリベンジなるか

佐藤賢次ヘッドコーチは、初年度のファイナルをアシスタントコーチとしてチームを支えながら戦っていた。今度はヘッドコーチとして、チーム初のBリーグチャンピオンに導けるかも焦点だ。

宇都宮戦を前に「メラメラしている」と鋭い眼差しで、勝負の鍵は「リバウンド」と語った。リバウンドやルーズボールなどボール・ポゼッションの争いは激しいものとなるはず。たとえ「取られても崩れず、メンタルで勝ちたい」と語っていた。また、初年度をキャプテンとして戦っていた篠山竜青は、クォーターファイナル終了後の会見で「やり返す」と宣言。また試合後のヒーローインタビューでは会場の川崎ファンに向け「来週もセミファイナルを、とどろきアリーナで戦います。宇都宮は先に試合が終わっています。チケット販売開始しています。宇都宮のファンのみなさんは熱いからチケットを既に買っていると思います。みなさん、スマホありますよね。何度も悔しい思いをしているのでお願いします。ホームで戦えるのが楽しみです」と呼びかけた。

19日、川崎から「選手の1人が新型コロナウィルス陽性判定」というリリースが発表された。大事に至らないことを願うばかりではあるが、21日からのセミファイナルは開催されるとのことも同時に発表された。現時点でその選手が明かされていないものの1人欠いた状態で宇都宮を迎え撃つことは容易ではない。

川崎とクォーターファイナルで戦った名古屋は、コティ・クラーク、オヴィ・ソコという2人の外国籍選手をケガで欠いていた。さらにGAME1でスコット・エサトンも負傷してしまい、アジア特別枠のレイ・パークスジュニアと日本人選手だけでGAME2を戦い抜いた。それでも佐藤ヘッドコーチが「名古屋のチームの魂を感じた」とリスペクトするほど川崎を苦しめた。セミファイナル、今度は川崎がチームの魂をぜひ見せて欲しいと思う。

あの時の雪辱を果たし悲願を成し遂げるために、何よりもホームでの大声援の後押しが今こそ必要なのだ。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。