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【ボクシング】日本人初の3団体統一王者誕生の瞬間 井上尚弥は4団体統一か、スーパーバンタム挑戦か

【ボクシング】日本人初の3団体統一王者誕生の瞬間 井上尚弥は4団体統一か、スーパーバンタム挑戦か

■4団体統一を目指す 標的はポール・バトラー

日本人初の3団体統一王者になったモンスター

気になるのは今後のスケジュールだが、リング上で明確なビジョンを明かしてくれた。それによると、次の標的はポール・バトラー(イギリス)が持つWBOのベルト。年内にこれを奪取して、最大の目標としてきた世界バンタム級4団体統一を果たすという。

バトラーは33歳の正統派タイプで、戦績は36戦34勝(15KO)2敗。昨年、ジョンリル・カシメロの代役で出場したジョナス・スルタン(ともにフィリピン)を判定で退けて正式なWBOチャンピオンになったが、この試合ではスルタンに押し込まれるシーンも目立った。また、過去には体重超過で失格になった前科もある。井上の相手としては、ドネアより数段、実力は下。対戦が実現すればモンスターの左フックが試合を決めるだろう。

もし、年内に対戦が叶わなければ、スーパーバンタム級へ上げることも明言した。この場合は、6月4日に難敵のダニー・ローマンを圧倒してWBC、WBOのタイトルを防衛したステファン・フルトン Jr.(ともにアメリカ)が目標となりそうだ。

フルトンの戦績は21戦全勝(8KO)、「(井上からのオファーがあれば)よろこんで戦う。いつか実現するだろう」と答えている。パンチ力に劣るフルトンは井上にとって、くみしやすい相手とみる。体格の違いを克服できれば、十分に攻略できるだろう。

なお、『リング』誌が発表しているパウンド・フォー・パウンドで、現在、井上は第3位。1位はオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、2位はテレンス・クロフォード(アメリカ)。今回の衝撃的なKO勝利、さらに4団体統一となれば、さらに上があるだろう。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。