村神様による2連覇だった。
優勝へのマジックを「2」としていた東京ヤクルト・スワローズは25日、本拠地・神宮球場で2位・横浜DeNAベイスターズと直接対決。手に汗に握る投手戦、スコアボードに「0」が並び続けた9回裏、昨年ドラフト2位の新人、伏兵・丸山和郁がサヨナラ打を放ち、ヤクルトがサヨナラ勝ち。2位との対決を制したため、一気にセントラル・リーグ2連覇を果たした。
◆清宮幸太郎を外し、ヤクルトが手に入れた「55」本塁打の村上宗隆
■オスナには、ヤクルト1000を1000本
野球はいつも細かい点に勝機がある。日本人としてシーズン最多本塁打が期待される4番村上宗隆は全打席がスポーツニュースになり、ヤクルト小川泰弘・DeNA今永昇太の力投も素晴らしかった。しかし、この日は日本のプロ野球界において常に「助っ人」とくくられ、ともすれば脇役に追いやられがちなオスナの全力疾走が優勝決定を呼び込んだ。
延長を見据えれば温存も考えられた9回表、高津監督は守護神マクガフを投入。期待通りDeNAを三者凡退に切って取る。その裏、先頭で打席に立ったオスナのひと振りは遊撃の深いところではあったが、ほぼ「内野ゴロ」という当たり。だが、打球が前に飛んだと思った瞬間、オスナは頭を下げ前傾姿勢で一塁へ全力疾走。タイミング的にはアウトに思えたがショートの送球がそれたのも功を奏し、生きる。サヨナラのランナーだ。
代走に塩見泰隆が送られ、これを中村悠平がきっちり送りバント。ここでルーキーによる史上初の優勝決定サヨナラ打が生まれた。三冠王、55本塁打……メディアは派手な見出しを追いかけるが、勝敗を分けるのは、こうした細かいプレー。
オスナには、ヤクルト1000を1000本贈りたい。