【Bリーグ】ジェッツを常勝軍団へと導いた大野篤史HCが新たに就任した三遠ネオフェニックスで築き上げるバスケとは……

新天地・三遠ネオフェニックスで始動した大野ヘッドコーチ (C) 三遠ネオフェニックス 撮影:Sota Motonaga
新天地・三遠ネオフェニックスで始動した大野ヘッドコーチ (C) 三遠ネオフェニックス 撮影:Sota Motonaga

Bリーグは29日、2022-23シーズンが開幕する。

このオフシーズン、もっともファンを驚かせたと言っても過言ではないクラブは三遠ネオフェニックス千葉ジェッツふなばし(以下、千葉J)を2016年から率い、2020-21シーズンにリーグ優勝、さらに17、18、19年と天皇杯3連覇へと導いたBリーグ屈指の名将・大野篤史ヘッドコーチ(HC)を招聘した。開幕を目前に控え「ワクワクと不安が半々」だと今の心境を表現する大野HCに話を聞くことができた。

◆稀代のシューター金丸晃輔が新天地・三遠ネオフェニックスで求めるバスケとは…

■「千葉にいることは保身になる」と新天地へ

この三遠での新たな挑戦を決断するに至った経緯を「保身」という言葉で語り始めた。

「千葉にいることは保身になるのではないか」と思った。三遠のフロント陣とも会話を重ね同じ方向を目指していけると確信を持った。「三遠での挑戦も過信なのではないか」と考えもしたが「自分が好きで始めたスポーツを仕事にしてお金をもらっている。さらに人に喜んでもらえる。そんな最高なことはない。そしてそのような期間は決して長くない。ならば今できるベストを尽くそうと、安泰を選ぶより新しいチャレンジを決意した」とその意図を吐露した。

昨シーズン、三遠は10勝48敗という結果に終わっている。下位で苦しんだチームを率いて結果を出すことは容易ではない。「応援してもらえるチームとは、楽しんでもらうにはどうすべきか」ということを突き詰めている。しっかり地域に根付くチームになることが自身に与えられたミッションだと理解している。そのために勝ちにこだわり、支えてくれる人、応援してくれる人に喜んでもらわなければならない。Bリーグにとって7シーズン目が始まろうとしているが、三遠にとっては大きなリスタートでもある。

前田浩行アシスタントコーチらスタッフ陣も三遠で新たな挑戦をしている。「チーム作りを理解してくれている。自分たちがどう貢献できるか言わずとも理解してくれているからやりやすい」と体制はすでに整っている。昨シーズン途中からHC代行に就任しチームを指揮した清水太志郎もアシスタントコーチとしてチームに残り、スタッフ陣にも新たなケミストリーが生まれつつある。

さらにパワーフォワード大宮宏正も千葉Jから加入。「僕は優しいコーチではない。慣れていない選手はヘッドダウンしてしまうので、そういう選手を見つけるとメンターの役割を果たしてくれる」頼もしい存在だ。どういうHCでどのようなバスケットをするのか理解している仲間が脇を固めた船出となるため、力強い漕ぎ出しを期待したい。

「僕は優しいコーチではない」とチームに活を入れる大野HC

同HCが三遠で最初に感じたことは「すごく素直な選手ばかり」だった。バスケはプレーしながらの状況判断がとても重要なスポーツ。「選択肢を伝えると、コーチに言われたからやらなければいけない」と受け取る素直さは時として弱点にもなる。現在はコーチに言われたからプレーをするのではなく「プレーの根拠を自分で考えなければいけない、そのマインドを根付かせている」最中だとか。在籍する選手たちと引退まで共に過ごせるわけではない。それでも、自身の下でプレーし成長した経験がのちに「キャリアを伸ばすきっかけになった…と思える期間であってほしい。1年でも長くプレーしてほしい」と願いを込めてコーチングしている。時に笑顔を交えながら語るHCからは、新たなチームで向き合う選手たちへの愛情が早くも滲んでいた。

HC就任とともに話題を集めた、島根スサノオマジックから加入した日本代表スモールフォワード金丸晃輔についても「得点も取ってほしいし、ボールを預けられる選手でもある。彼の経験には大いに期待している」と語る。金丸はこれまでのBリーグ6シーズンをシーホース三河と島根でプレーしてきた。幾度となく大野HC率いる千葉Jと対戦をしてきたが、金丸自身その度に「じっくりスカウティングをされている」と感じていたという。金丸を敵として徹底的に調べ尽くしてきた知将がどのように金丸を生かすのか注目したい。


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