■「最終的には世界に行きます」
牛尾は昨年7月からコンサルタントの立場で三遠の経営に携わり始めたが、課題は山積みだった。「ディズニーリゾートがライバル」と言い続けているにもかかわらず、「ベビーカー置き場」のスペースにゴミ袋が置かれていたこともあった。今季からはまず何より「お客様目線であること。8,000円を払って見に来てくださる方に、非日常を」と、身だしなみや雰囲気、演出とさまざまな場面でこだわることを徹底している。

新加入、稀代のシューター金丸晃輔も世界に通じる選手 提供:三遠ネオフェニックス
チームの挑戦とともにフロントも変革を成し遂げようとしている。スポンサーから開幕を祝う花が届くが、昨シーズンは2つだけだった。しかし今シーズンは20を超える花が飾られていた。地域からの期待の表れでもある。牛尾は「新しいアリーナが建設されても豊橋と浜松両方で試合をやることを理想としている」と語っていた。ファンに認められ地域に根付くクラブになる日はそう遠くないのではないだろうか。
大野は他力本願になるため、必勝祈願はしないのだそうだ。だが「僕は行ってしまう」という牛尾社長にとても親近感が持てた。「勝ちたかった」その一言にこのオフシーズンからのさまざまな思いが詰まっていた。誰よりもヘッドコーチや選手を信頼し、ファンと同じ目線で熱く応援する社長がそこにはいた。
しかし牛尾の野望は小さくない。「最終的には世界に行きます」と言い切る。まずはチャンピオンシップ、リーグ制覇とステップアップし、いずれは世界を……というビジョンだ。
第2節では、8日、9日には豊橋市総合体育館でレバンガ北海道を迎え撃つ。まだ挑戦は始まったばかり。この大きな変革をぜひ成し遂げてもらいたいと心から思う。
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■著者プロフィール
木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長
テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。










