今季途中までロサンゼルス・エンゼルスを率いたジョー・マドン氏が先日、米トーク番組「ダン・パトリック・ショー」に出演。大谷翔平に続く二刀流選手の出現について、否定的な見解を述べた。米スポーツサイト『FAN NATION』は同氏の真意について、「いかにオオタニが特別であるか、と言いたかったのだろう」と推察。そのほか、番組内では年俸など金銭面についても話が及んだ。
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■大谷級二刀流が出現に否定的
司会を務めるパトリックはマドン氏に対して、「オオタニが二刀流の波を起こすのではないか。高校や大学で現在プレーしている選手たちが、(大谷の成功を見て)二刀流が可能であると知り、プロ入りした際に投手か打者のどちらか一つを選ぶという必要性を感じなくなるのではないか」と尋ねた。
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これに対して、同氏は「模倣する選手は現れるかもしれない。週に3日くらい(二刀流で)プレーしていれば、できるようになるかもしれない。でも、近い将来オオタニのようなレベルの選手が出てくるかと言えば、それはとても難しい。そして、もし二刀流の選手を我々が見ることになったとしても、その選手がオオタニが経験したような成功を得ることはできないだろう」とし、大谷級の二刀流が出現する可能性については否定的な見解を示した。
■真意は「大谷がいかに特別な存在か」
同氏のコメントを受けて、米スポーツサイト『FAN NATION』は「マドンが言いたかったのは、いかにオオタニが特別な存在か、ということだろう」と推察。さらに同サイトは「高校時代は努力と決意があれば、ある程度の成績は残せるため、多くの人が二刀流で活躍している。しかし、メジャーで打つためには教えることのできない才能が必要。生まれ持った才能を生かすためにコーチングすることは可能だが、一定の才能レベルがなければ、高校時代にどれだけ優秀な打者でもメジャーリーグに行くことはできない。もちろん、投手にも同じことが言える」と記した。
つまり、努力だけではどうにもならない天賦の才が1人の人間の中に投打で備わっていないと成立しないのが二刀流。同サイトも「そんな選手を発見するのは天文学的な確率」とつづり、大谷がいかに稀有な存在であるかを改めて強調した。
■「2人分の報酬を受け取るべき」と指摘
また、マドン氏は同番組内で「二刀流のスーパースターであるオオタニは、通常の打者あるいは投手とは異なる報酬、つまり2人分の報酬を受け取るべきか」という質問に、「そうしなければならない」と即答。「つまり彼は2人の選手だ。本当にそうだ。オオタニの交渉や評価は独特になる。彼は1人の選手ではない。彼の投球記録を見てほしいし、彼が攻撃面で何をしたかを見てもらいたい。彼の投球は良くなり続けており、私自身がその様子を目の当たりにした」と熱弁をふるった。
昨季ア・リーグMVPを獲得し、今季打者としてはハンク・アーロン賞の候補になり、投手としてもサイ・ヤング賞に推される大谷。マドン氏は「球団は1人の選手に2つの異なることをさせ、彼はそれをメジャー全体でトップ10、トップ5に入るレベルで遂行している」とし、年俸が巨額になるのも当然とした。
今オフはFAになるアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の新契約に注目が集まっているが、今後は二刀流の価値判断にも焦点が当たりそうだ。
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文●SPREAD編集部