25日は阪神競馬場で上半期GIの総決算となる宝塚記念(GI、芝2200m)が開催されます。
阪神競馬場は2006年に大規模改修工事が行われましたが、内回りコースは大きな変更点がありません。そのため2006年の京都開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきます。
◆【宝塚記念2023予想/穴ライズ】単勝オッズ“60倍”以上の盲点 「GI大敗で嫌われるならシメシメ」
目次
■一発なら池添謙一騎手
今年の宝塚記念に騎乗する騎手の中で、2006年の京都開催を除く2000年以降で騎乗経験があるのは13騎手。各騎手のデータは次の通りです。
飛び抜けて高い連対率を誇る騎手は不在で、有力騎手が20%前後の数値に落ち着いていますね。
さすがに1鞍、2鞍の騎乗ではサンプル不足と考えられるため、今回は過去の騎乗数が7回を超える騎手を中心に見ていきましょう。
まず取り上げるのが、グランプリ男として本コラムでたびたび取り上げてきた仕事人・池添謙一騎手。
2005年の11番人気スイープトウショウで1着、09年の2番人気ドリームジャーニーで1着、12年の1番人気オルフェーヴルで1着と、集計期間内に最多3勝を挙げているだけではなく、15年には11番人気ショウナンパンドラで3着、20年は12番人気モズベッロで3着と、人気薄での激走経験もあります。
素の数値も優秀ですが、注目は性別で、【池添謙一騎手】×【牝馬】の組み合わせは【1.0.1.0】で連対率50%、複勝率100%。
このデータに当てはまるスイープトウショウ、ショウナンパンドラともGI勝ちの実績がある2桁人気馬、今年の宝塚記念で池添謙一騎手が跨る前日9番人気のスルーセブンシーズ(牝5、美浦・尾関知人厩舎)にとっては追い風となるデータでしょう。
近年の宝塚記念は牝馬の好走が目立っていますから、人気以上の激走が見られるかもしれません。
■和田竜二騎手は騎乗馬の前走に注目
続いて人気と着順のバランスに優れる和田竜二騎手のデータを見ていきます。
2000年に1番人気テイエムオペラオーで1着、01年は1番人気テイエムオペラオーで2着、18年は7番人気ミッキーロケットで1着と、3度の連対がある同騎手ですが、注目は騎乗馬の前走レースと同日人気。
【和田竜二騎手】×【前走天皇賞・春出走】×【当日7番人気以内】は【2.1.0.1】で勝率50%、連対率75%です。
昨年こそ3番人気のディープボンドで4着でしたが、今年も天皇賞・春→宝塚記念と同じステップで挑むディープボンド(牡6、栗東・大久保龍志厩舎)を駆り、昨年以上の着順を確保できるか。
なお、同馬は前日4番人気。好走条件を満たしそうな今季は相手に組み込んでおきたいところです。
■C.ルメール騎手は死角ありだが…
さらに単勝オッズ1倍台前半の断然人気イクイノックス(牡4、美浦・木村哲也厩舎)に跨るC.ルメール騎手のデータを見ていきましょう。
一昨年はクロノジェネシスで制していますが、2015年は2番人気ラキシスで8着、17年は2番人気シャケトラで4着、18年は1番人気サトノダイヤモンドで6着、2019年は2番人気レイデオロで5着、20年は1番人気サートゥルナーリアで4着。人気馬で2020年までことごとく敗れ続けてきた歴史があります。
素のデータは【1.0.0.6】で、1・2番人気騎乗時【1.0.0.5】ならデータ上は人気馬騎乗時に「死角あり」と見ていいはずです。
ただし、サンプルに限りがありますが、単勝オッズ1.9倍以下では【1.0.0.0】勝率100%、ドバイ帰りなら【1.0.0.1】勝率50%というデータも見つかり、消しとまでは判断できません。
またC.ルメール騎手のJRA・GIかつ1番人気時の2023年成績は【0.1.3.0】と勝てないまでも複勝率は100%。イクイノックスは3連複の軸として考えるのがいいかもしれませんね。
以上、宝塚記念記念の気になる騎手データでした。データ注目騎手は池添謙一騎手、和田竜二騎手の2名です。
池添謙一騎手が跨るスルーセブンシーズが馬券絡みするようだと、仮にイクイノックスが3着以内に来ても3連複の配当はついてくれそうですね。
また、池添謙一騎手、和田竜二騎手のワイドは当日50倍前後つきそうですから、少額押さえてみるのが面白いかもしれません。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。