【レパードS/危険な人気馬】前走楽勝も「0.0.0.6」データから“消し” 「キャリアの差が出る一戦」

 

【レパードS/危険な人気馬】前走楽勝も「0.0.0.6」データから“消し” 「キャリアの差が出る一戦」

第15回レパードS(GIII、ダ1800m)は、鳳雛Sを逃げ切ったエクロジャイトや、関東オークス2着のクレメダンジュ、ダートでは底を見せていないクールミラボーや、2戦2勝のオメガギネス、プリンシパルSを制したパクスオトマニカなど、将来のダート界を背負うかもしれない素質馬が集結し、見応えのある一戦となりそうだ。

そんな中、デビューから3戦すべて上がり最速をマークしているミスティックロア(8月1日時点、抽選対象)が、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■1勝クラス、キャリア3戦の戦績では物足りない

過去10年のレパードSでは、ユニコーンS組が4勝、ジャパンダートダービー組が2勝と、重賞からの転戦組が優勢な傾向にあるレースだが、今年は両レースからの転戦は不在。重賞組も関東オークス2着のクレメダンジュと、前走はダービーで、ダートに矛先を変えてきたパクスオトマニカの2頭のみで、必然的に、オープン特別や条件クラスからの挑戦で、素質が見込まれる馬が人気を集める格好となる。

そんな中、ここまで3戦2勝の戦績で、3戦すべて上がり最速をマーク。近2走の未勝利戦、1勝クラスと、豪快な勝ちっぷりを見せ、厩舎も高い期待を寄せるミスティックロアも、人気の一角を占めることになるだろう。しかし、そう簡単に食指は動かない。

まず条件クラスからの転戦組は、1勝クラスと2勝クラスの間に、高い壁がある。過去10年、2勝クラス組の戦績は【3.3.2.42】と、まずまずの好結果を残しているのに対し、1勝クラス組は【0.3.0.31】と、連対が3例あるのみ。しかもこの3頭は、7、10、12番人気という伏兵馬で、一発激走により連に絡んだだけで、人気に支持されたタイプは、ことごとく掲示板外に敗れている。

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加えて、レパードSではキャリアも、ある程度必要であるという点も見逃せない。過去10年の3着以内30頭中20頭が、キャリア6~8戦に集中しており、5戦以下の馬は【0.3.2.28】、特にキャリア3戦は【0.0.0.6】と不振で、キャリアの浅さは歓迎できる材料ではない。ちなみにオメガギネスはキャリア2戦の馬だが、大和田成厩舎では、2014年にキャリア2戦で2着に入ったクライスマイルがおり、過去の経験値から注意は払いたい。

今年は、先にも触れた通り、重賞を経験した実績のある馬が少なく、1勝クラスを勝ち上がった馬同士の争いとなり、あまりデータ的には当てはまらないかもしれない。しかし、ミスティックロアが前走2着に退けたダンテバローズは、次走11着に大敗しており、前走のレースレベルにはやや疑問符がつく。

加えて、まだまだ気性が荒く、若さの残る現状で、初めての新潟コースへの対応がどうなるか。また、これまで良馬場でのレース経験がなく、パンパンに乾いたダートでも、力を発揮できるか微妙なところだ。そのような不安要素が多く存在する中、人気ほどの妙味は感じられず、今回のミスティックロアは、思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。