今週は京都競馬場でマイルCS(芝1600m)が行われる。ディフェンディング・チャンピオンのセリフォスに対するは、春に同馬と覇を競ったシュネルマイスター。毎日王冠を制した3歳馬エルトンバローズも虎視眈々とマイル王の座を狙う。
ここでは、過去10年データから京都開催の2010~19年を対象に、ナミュールとレッドモンレーヴにフォーカスした「80 or 0%」データを取り上げる。
◆【マイルチャンピオンシップ2023予想/データ攻略】GI馬2頭に“とてつもない明暗” 「100 or 0%」で遠のく勝利
目次
■ナミュールの追い風となる【2.1.1.1】
前走富士Sで2勝目をマーク。2歳時から世代トップクラスと称されたポテンシャルが花開こうとしているのがナミュールだ。施行時期こそ違えど、当時の勝ちタイム1分31秒4は今年の安田記念勝利時のソングラインと同じ。久しぶりの右回りやローテーションが懸念されている今回だが、以下データをご覧いただければ印象は一変するはずだ。
・前走東京芝1600mを4角3番手以下から勝利【2.1.1.1】
“80%データ”に該当。5番人気1着エイシンアポロンや4番人気1着モーリスなど配当妙味もまずまずで、前走東京芝1600m×4角3番手以下勝ち馬の相性はもはや偶然で済まされるものではない。
この馬の父ハービンジャーは3年連続で当レース馬券内のペルシアンナイトを輩出。京都芝外回りは未経験も、潜在的な適性は秘めているとの判断も可能だ。8度目のGI挑戦で悲願の頂点へ。そのタイミングは今回なのかもしれない。
■レッドモンレーヴにまさかの【0.0.0.20】
ナミュールとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがレッドモンレーヴ。3走前の京王杯SCで重賞初制覇を飾ると、前走富士Sは上がり3F最速の脚を繰り出し2着。メキメキと力をつけている4歳馬だが、今回はこれまでの経験値が能力発揮の支障となりそうだ。
・前走2着以下かつGI連対歴のない関東馬【0.0.0.20】
該当馬すべてが馬券外の“0%データ”に抵触。3番人気に支持されたファイナルフォーム、C.ルメール騎乗のレイエンダも馬券外と目も当てられない成績に終わってしまっている。GI実績を持たない関東馬にとって鬼門と言えよう。
この馬が挙げた5勝のうち、3勝が自身の上がり3F33秒台前半以内。東京競馬場向きの切れ味を有している反面、同競馬場との比較で上がりのかかる秋の京都芝外回りへの適性にも疑問が残る。確かな能力を認めつつ、GIでの馬券内突入は至難の業か。
マイルチャンピオンシップ2023 予想コラム一覧
馬券攻略ガイド
◆予想に役立つ馬券攻略ガイド/出走予定・枠順・オッズetc. 「GI馬2騎を上回る追い切り評価『S』出現」
騎手データ
◆【騎手データ】勝率57%の“穴メーカー”に要警戒 ルメールJと川田Jは相手まで
追い切り診断
◆【追い切り診断】シュネルマイスターを上回る「S」の最高評価 「V意識の絶好気配」
◆【追い切り診断】ソウルラッシュに並ぶ高評価の実績馬 「実戦に直結する稽古内容」
◆【追い切り診断】セリフォスに並ぶ高評価でGI奪取へ 「この相手でも勝ち負け期待」
◆【追い切り診断】人気GI馬が辛口「B」評価 「前走の反動か……半信半疑の状態」
データ攻略
◆【データ攻略】GI馬2頭に“とてつもない明暗” 「100 or 0%」で遠のく勝利
穴馬予想
◆【穴馬アナライズ】「前走は参考外、一発の可能性は十分」 単勝オッズ“30倍”前後の爆穴
◆【穴馬アナライズ】「潜在能力はGI級、マイルで素質開花か」 前日“10人気”前後の盲点
◆【穴馬アナライズ】「前走内容から、ここも軽視はできない」 想定オッズ“2桁”の妙味
◆【WIN5予想】シュネルマイスターは“消し” 穴馬「一点突破」のWIN4がカギ
◆【危険な人気馬】「ローテも血統も勝率0%のWパンチ」 前哨戦Vの一角は“消し”判断
血統予想
◆【血統予想】想定4人気以下に単複回収値「100超え」 父と母に宿る”京都の鬼”
11/18~19 重賞全頭診断
◆【マイルチャンピオンシップ】想定3人気以下に「4.0.1.1」 “馬券内率83%”該当の軸候補
◆【東京スポーツ杯2歳ステークス】「ソールオリエンス級」の怪物候補 来年のクラシック見据える出世レース
枠順・前日オッズ・過去10年データ傾向など
◆【枠順】内外イーブンも人気一角の明暗分かれる “連対率50%”該当馬は……
◆【前日オッズ】単勝2.9倍以下なら「連対率100%」 今年は“少点数の狙い撃ち”可能
◆“GIレベル”オルフェ産駒ソーヴァリアント 兄を凌ぐ屈強な男へ
◆【人気傾向】ソウルラッシュに“黄信号” 4人気以下「5勝3着7回」でヒモ荒れ注意
◆【脚質傾向】連対馬12頭に“馬券内ポジション” 阪神と京都の違い
◆【前走ローテ】セリフォスは“馬券率60%” ぶっつけでも狙える理由とは……
◆芸能人・予想家のマイルCS本命・注目馬予想まとめ 「エリ女王杯の的中者は?」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。