【ステイヤーズS/全頭診断】マラソンレースで魅力の「1.2.1.2」 人気上位馬に危険信号か

 

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今週は中山競馬場で、第57回ステイヤーズS(GIII、芝3600m)が行われる。年に一度しか施行されないマラソンレース。特殊な施行条件ゆえ波乱決着も多く、配当妙味をそそる一戦と言えそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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■ステイヤーズステークス2023 出走予定馬全頭診断

・アイアンバローズ

一昨年のこのレース2着馬。昨年も4着と好走しており、特殊な施行条件の当レースとの相性は抜群だ。内めの枠を引き当てることができれば何らかの印は必要だろう。

・アケルナルスター

オープンクラスを使われた近2走も大崩れせず走っている馬。叩き2戦目の成績【1.1.0.0】に加えて昨年勝利実績がある冬の中山替わりなら軽視は禁物と言えそうだ。

・アフリカンゴールド

8歳にして自身初の中山参戦。単騎逃げが叶った際の渋太さは証明済みも、コース適性の部分で不安は否めない。

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・キングズレイン

立場的には3勝クラスの馬だが、ホープフルS3着、セントライト記念5着と積み重ねた実績は古馬に入っても上位。ここも人気が予想されるが、気がかりなのは中山での2戦がいずれも初角14番手以下だったこと。コーナーが多く、器用さが求められる中山芝3600mにおいて脚質面での懸念は否めず、差し損ねの可能性は想定すべきだ。

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・グランオフィシエ

フタ桁着順が続く近走。厳しい。

・ジェットモーション

オープンクラスでは完全に頭打ちの印象。こちらも厳しいだろう。

・シルブロン

左回りの成績【3.2.2.5】に対し、右回りは【1.0.0.4】。叩き2-3戦目にパフォーマンスを上げるタイプでもあり、ダイヤモンドSあたりが陣営の狙いなのかもしれない。ロスなく立ち回った際の3着が現実的なラインか。

・セファーラジエル

前走アルゼンチン共和国杯は5着と健闘。差し馬が上位独占の一戦にあって、4角2番手から先行勢では最先着をはたした。右回りで4角3番手以内時の成績は【1.2.1.2】。アフリカンゴールド、アイアンバローズに続くポジションを確保することができれば好走への道筋は拓ける。

・ダンディズム

ローカルのマクリ屋、という立ち位置を確保しつつある馬。2着の前走福島記念は1000m通過59秒5の前走は差し追込馬が上位独占のレースだったが、展開がハマッたのだろう。一度使われた中山は上がり3F2位を計時しながら6着。舞台替わりがプラスに働くとは思えない。

・テーオーロイヤル

約1年ぶりの実戦となった前走アルゼンチン共和国杯。外枠から終始距離ロスの大きいレースだったが、直線半ばでは3着争いに加わろうかという脚を見せていた。この中間はウッド6Fで自己ベストを更新。まだ完全復調と言い切るには早い印象も、戦ってきた相手を考えると叩き一変は警戒すべきだ。

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・ヒュミドール

中山では【0.0.0.5】と不振が際立つ馬。厳しい。

・フジマサインパクト

芝を使われた2走前は見せ場のないレースに終始。変わり身を望むのは酷に映る。

・マイネルウィルトス

得意の東京芝2500mで3度目の馬券内をはたした前走。大外ブン回しの雑なレース運びでも好走が叶った背景には、この馬自身の広いコースへの高い適性があったのだろう。翻って、今回はコーナーが多い中山芝3600m替わり。開幕週で良馬場想定のコンディションを考えたとき、中心に据えるには躊躇してしまう。

・メロディーレーン

重賞では【0.0.0.13】と厚い壁に跳ね返されている現状。厳しい。

・レッドジェネシス

フタ桁着順が続く現状。ピークアウトしてしまった感は否めない。

・ワープスピード

芝2400→3000mへの距離延長で勝利を収めた前走。2-5着馬が道中10番手以下だったことを考えると、4角5番手から押し切った内容は豊富なスタミナを証明する一戦だったと言えそうだ。4走前は逃げ切り勝ちを収めていたように、前々で立ち回ることもできるタイプ。中山適性に若干の不安こそあれ、ノーマークにはできない。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月30日 18:01公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。