ア・リーグ西地区2位のマリナーズは11日(日本時間12日)、本拠地T-モバイルパークでのパドレス戦に5-2で快勝。この日敗れた首位アストロズとのゲーム差を3.5ゲームに縮めた。
マリナーズは、2022年にワイルドカード枠でポストシーズン進出を果たしたものの、優勝からは長年遠ざかっている。最後に地区制覇をしたのが、イチローがデビューした2001年。MLBタイ記録となる「116勝」の歴史的なシーズン以来、西地区の頂点に立っていない。今季も前半戦で首位を独走していたものの、極端な貧打が災いし苦戦を強いられた。8月22日(同23日)には、チームの急失速を理由にスコット・サービス監督が解任されている。
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■自慢の先発陣が好投
この日は、マリナーズが誇る強力先発ローテーションのひとり、メジャー2年目のブライアン・ウー投手が好投。6回2/3を2安打1四球2失点5奪三振の好投で、チーム打率トップのパドレス打線を退けた。
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打っては3回裏、前日に2年連続の30本塁打を記録したカル・ローリー捕手が先制適時打。3点リードの6回裏には、キャプテンのJ.P.クロフォード内野手が2点適時打を放ちリードを広げ、4投手の継投で逃げ切った。
パドレスとの一戦に5-2で勝利したマリナーズは、これで今季74勝目(72敗)。3連敗中の首位アストロズとのゲーム差を3.5ゲームに縮め、残り16試合での逆転優勝に望みを繋いだ。
■優秀な生え抜きたちが成長
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、マリナーズの本拠地T-モバイルパークは、現在メジャーでもっとも打者に不利な球場とされており、満を持して獲得してきたスラッガーが振るわないのが悩みの種とされている。
今季もここまで、メジャーワーストのチーム打率「.219」と打線が低迷。このままシーズンを終えると、球団創設48年間で最低記録を更新する貧打ぶり。地区優勝争いを続けてこられたのは、優秀な先発投手陣に支えられていたからに他ならない。
生え抜きのジョージ・カービーとローガン・ギルバート、ブライス・ミラー、本日先発したウーに加え、移籍組のルイス・カスティーヨが、メジャー全球団トップの先発防御率3.39と躍動。今季146試合中、6回3失点以内のクオリティスタート(QS)を86回も記録(※エマーソン・ハンコックの4回含む)しているのだから驚きだ。
シーズン途中からチームを指揮するダン・ウィルソン新監督とエドガー・マルティネス新打撃コーチは、当時ルーキーのイチローとともに2001年の地区優勝を経験したレジェンドふたり。マリナーズの年間打率は、この年の「.288」が球団史上最高記録。起爆剤と呼ぶには虫が良すぎるが、23年ぶりの地区優勝へ向けて最後の綱渡りを続けている。
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