ヤンキースからフリーエージェント(FA)になったフアン・ソト外野手の獲得交渉が本格的にスタート。ブルージェイズが今週、他球団に先がけてソト陣営とミーティングを行うと米メディアが伝えた。
新天地の有力候補であるヤンキース、メッツに立ちはだかる存在として脚光を浴びている同球団だが、獲得実現へ向けて気になる点も内包しているようだ。
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■ブ軍は今週中にソト陣営と面談へ
米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者が11日(日本時間12日)、自身のX(旧ツイッター)を更新し、ソト争奪戦に言及。「最初の交渉相手として、今週中にブルージェイズがソトと会う」と記した。
ヤンキース、メッツを差し置く形で、先陣を切ることになったブルージェイズ。昨オフには大谷翔平投手の獲得にも乗り出しており、その際に提示した条件はドジャースと大谷が結んだ「10年総額7億ドル」に匹敵する内容だったという。そのため、大谷級の契約規模が予想されるソト争奪戦においても、金銭面での不安はないと言われている。
『ESPN』の電子版は「ブルージェイズはブラディミール・ゲレーロJr.内野手に並ぶスター選手の獲得を真剣に考えており、ソトをターゲットにしている」と紹介。球団はヤンキースで見せたアーロン・ジャッジ外野手とのコンビのように、今度はゲレーロJr.との強力デュオ結成を目指している様子だ。
■今オフにトレードの可能性も
ただ、「二枚看板」となるはずのゲレーロJr.を巡り、トレードの可能性を指摘する声は根強い。米スポーツメディア『The Athletic』は12日(同13日)、「今オフにトレードされる可能性がある注目の15人」と題して記事を公開。その1番手にゲレーロJr.を取り上げた。
ブルージェイズとゲレーロJr.の契約は来季いっぱい。もちろん、球団としては契約延長を望んでいるが、交渉は進展していないという見方が一般的。そのため、7日(同8日)に閉幕したGM会議出席者も「現時点でトレードに出す気はなくとも、契約延長の可能性がないとはっきり分かれば、チームも考えを変えるだろう」とコメントしていた。
もし、長期の再契約を結ぶことができなければ、ゲレーロJr.は来オフに見返りもなくチームを離れることになる。しかし、そうなる前にトレード市場に出せば、交換要員として複数の若手有望株を獲得することが可能となり、今季ア・リーグ東地区で最下位に終わったチームの再建も加速するはず。
ただ、ソトは新天地の条件として「勝てるチーム」を挙げており、加入してすぐに主砲が移籍するようであれば、ブルージェイズがその条件を満たせるかどうか、疑問符が付く。ソトを説得するために、ブルージェイズはまずゲレーロJr.やボー・ビシェット内野手ら主力の去就をはっきりさせる必要があるかもしれない。
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