今季4年ぶり8回目の世界一を奪還し、オフの動向にも注目が集まっている名門ドジャース。日本人ファンの話題はテオスカー・ヘルナンデス外野手の契約交渉が中心となっているが、もうひとりのヘルナンデスの存在も欠かせないだろう。
2015年から、通算8シーズンに渡ってチームに所属したエンリケ・ヘルナンデス外野手の残留を望む声も多数挙がっている。メジャー11年間で捕手以外の内外野すべてを経験したユーティリティ性に加えて、短期決戦で光る勝負強い打撃には定評がある。「キケ」の愛称で知られる33歳は、メディアの取材に対しドジャース残留を熱望した。
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■圧倒的なユーティリティ性と勝負強さが魅力
ヘルナンデスは、2009年ドラフト6巡目全体191位でアストロズに入団。14年にメジャーデビューを果たすと、シーズン中にマーリンズへトレード。翌15年からドジャースに所属した。
二桁本塁打を放てるパンチ力と、使い勝手の良さを武器にメジャーに定着。18年には21本塁打、OPS.806をマークした。21年にはレッドソックスへ移籍するも、23年途中に再びドジャースへ復帰。今季も、捕手と右翼手以外の全ポジションで126試合に出場。12本塁打、42打点を記録し、故障者続出のチームを世界一に導いた。
ヘルナンデスは17日(日本時間18日)、米人気ケーブルテレビ局『HBO』で、NBAのレブロン・ジェームズがホストを務めるトーク番組『ザ・ショップ』に出演。「ドジャースに戻ることが自分にとって最優先事項」と語った。一方で「現時点では来季どこでプレーするのか、自分にも分からない」とも明かしたという。
「ドジャースは来季も非常に良いポジションにいて、1999年と2000年のヤンキース以来、初めて連覇を目指せるチームだと思う」と話したヘルナンデス。ドジャース復帰を望んではいるものの、実現しない可能性も視野に入れている様子。「(再契約できなかった場合は)10月にしっかり勝ち進めるチームがいい。自分はプレーオフ中毒みたいなもので、それが自分の人生には欠かせないんだ」と、移籍先は勝てるチームが条件であるとしている。
ファンが愛する「Wヘルナンデス」の残留は、依然として決着がついていない。年の瀬を前に新たな動きは見られるのか、引き続き注目だ。
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