【MLB】選球眼抜群でいまや常勝ドジャースの“象徴”に 「短期決戦の鬼」マンシーの魅力とは?

ドジャースのマックス・マンシー
ドジャースのマックス・マンシー(C)ロイター

NPB以上に、選手の移籍が活発に行われるMLBの世界。選手によっては、1年の間に複数球団を渡り歩くことも少なくはなく、長年同一チームでプレイする選手は年々少なくなっているように思われる。

今季、ワールドシリーズを制覇したドジャースを見渡してみても、主力選手の中でチーム一筋でプレイしてきたのは大エースであるクレイトン・カーショー投手くらいのものだろう。そんな中、生え抜きではないもののチームの古参として、年々存在感を増している選手がマックス・マンシー内野手だ。

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■長打力が光るユーティリティとして定着

2012年に全体169位でアスレチックスに入団しキャリアをスタートさせたマンシー。2015年にメジャーデビューを果たすと、同年は45試合に出場し打率.206、本塁打3、打点9、OPS.660の成績を残す。続く2016年もレギュラー格ではないもののユーティリティ的な立ち位置で51試合に出場、打率.186、本塁打2、打点8、OPS.565と前年と同等の成績を残すものの、シーズンオフにDFA。2017年には現在所属するドジャースとマイナー契約を結んだ。

2017年はメジャー出場がなかったものの、2018年の春にメジャー契約を結ぶと前半戦だけで22本塁打を放つなど才能が一気に開花。この年のホームランダービーにも出場した。結果的に自己最多の137試合に出場、打率.263、本塁打35、打点79、OPS.973の成績を残し、内野のユーティリティとして自身の立ち位置を確立させた。

翌2019年には、初のオールスター選出を果たしたマンシー。夏場に骨折で故障者リスト入りしたものの141試合に出場し打率.251、本塁打35、打点98、OPS.889とオールスター選手にふさわしい活躍を見せ、オフには3年2600万ドル(約40億円)で契約延長を果たした。また、これまでは一塁、二塁、三塁を守るユーティリティだったが、2021年は主に一塁、2022年からは三塁にほぼ固定され不動のレギュラーとなった。

■ポストシーズンでも際立つ勝負強さ

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マンシー最大の持ち味といえば、その高い出塁率とパンチ力のある打撃だろう。打率は2割代前半が多いものの、フルシーズン出場すれば20~30本程度の本塁打が見込めるパンチ力もある。さらに、ドジャースに移籍した2018年からは年間の出塁率で.300を切ったことがない。打率が低いながら、ここまで出塁率をキープしているのは選球眼の良さのたまもの。実際に選球眼のよさを示す指標の1つである「BB%」はキャリア通算で15%と非常に高い数値を叩き出している。

また、大切なゲームで試合を決める一発を放つシーンも印象的だ。2018年のワールドシリーズ第3戦、レッドソックスとの18回まで続いた死闘でのサヨナラ本塁打は、ドジャースファンでなくとも記憶に残っている一発ではないだろうか。

さらに、今年のポストシーズンでもマンシーの勝負強さは際立った。全11試合に出場すると、ムーキー・ベッツ内野手につぐチーム2位のOPS1.013を記録。優勝決定シリーズ第2戦の第2打席から、第4戦の第4打席まで12打席連続で出塁しポストシーズン最長記録を打ち立てたのだ。

2023年オフに2年2400万ドルで契約延長を行ったマンシーは、来シーズンが契約最終年。生え抜きの少ないドジャースにおいて、キャリアのほとんどをロサンゼルスで過ごす“常勝ドジャースの顔”といっても過言ではない男が来シーズンどのような活躍をみせるのか。また、多数の長期契約選手を抱えるドジャースが功労者のマンシーに延長オファーを出すのか、注目が集まる。

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