2020年以来のワールドチャンピオンに輝いたドジャース。激闘のポストシーズンを振り返る中、特に際立った活躍を見せたプレイヤーの1人がエンリケ・ヘルナンデス内野手だろう。
愛称の“キケ”でファンからも愛される彼は、今シーズン開幕ロースター入りし、あらゆるポジションを守るユーティリティープレイヤーとして活躍。その明るいパーソナリティーと派手なパフォーマンスで日本でのファンも増えたことだろう。今回はそんな彼のキャリアや今シーズンの活躍にフォーカスを当てて紹介していく。
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■貴重なユーティリティ、年俸も右肩上がり
ヘルナンデスは、2009年にドラフト6巡目でアストロズに指名されると2014年にメジャーデビューを果たす。同年シーズン中にマーリンズにトレード移籍したものの、シーズン終了後には再度トレード候補となり、ドジャースに放出される形となった。
2015年はドジャースで76試合に出場し打率.307、7本塁打、22打点、OPS.836と徐々に頭角をあらわすと、2016年には109試合、2017年は140試合、2018年は145試合と年間を通して活躍する主力級の選手へと成長を遂げた。年俸に関しても活躍とともにあがり、2014年には50万ドル(約7500万円)だったが徐々に昇給。2018年には160万ドル(約2億4000万円)、2019年には372.5万ドル(約5億6000万円)、ドジャースが優勝した2020年は590万ドル(約8億9000万円)と一流のプレイヤーへの階段を着々と登っていったのだ。
2020年オフにFAとなると、レッドソックスと2年1400万ドル(約21億円)で契約を結び移籍。21年は134試合に出場すると打率.250、本塁打20本、打点60、OPS.786とチームに貢献した。ア・リーグ東地区で2位となりリーグ優勝決定シリーズまで進出するものの、アストロズに敗れ惜しくもワールドシリーズを逃した。
22年には怪我の影響もあり出場は93試合にとどまるものの、オフに1年1000万ドル(約15億円)で契約延長を果たしたことからレッドソックスにとっても欠かせないプレイヤーとなっていた。しかし、23年途中に再びトレードでドジャースに移籍。20年のワールドシリーズ制覇に貢献した立役者ということもあり、復帰の際はドジャースファンからも喜びの声が多く上がった。
■ポストシーズン本塁打数は現役8位
そして、今シーズン。ドジャースの一員として2度目のワールドシリーズ制覇を果たしたヘルナンデス。最大の魅力は、捕手以外の内外野すべてのポジションを高いクオリティで守れるユーティリティー性の高さと、勝負強い打撃だろう。
【動画】これぞ真のユーティリティ? キケ・ヘルナンデスの登板シーン
今シーズンも三塁を中心に、右翼と捕手以外のポジション(敗戦処理の投手としても登板)を守り、怪我人が続出したチームを助けたことも記憶に新しい。また、打撃に関しては126試合出場で、打率.229、本塁打12、打点42、OPS.654とレギュラーシーズンにおいては低調ではあったがポストシーズンで爆発。
2017年にはポストシーズン1試合3本塁打、2021年のポストシーズンにも5本塁打を放ち打率.408、OPS1.260と脅威の数字を残すなど、ポストシーズンに強い“お祭り男”はメッツとのリーグチャンピオンシップで、ポストシーズンの通算本塁打数で現役8位の15本塁打目を放ちチームに貢献した。
【動画】ポストシーズンではダルビッシュ有からも本塁打
現役選手のポストシーズン通算本塁打数をみてみると、1位がホセ・アルトゥーベ内野手(アストロズ)の27本、2位カイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)の21本など、各チームのレギュラーである錚々たるメンバーが名を連ねているだけに、ユーティリティー選手のヘルナンデスがここにランクインすることの凄さがわかるだろう。
今オフFAとなり、その去就が注目されているヘルナンデス。今オフ既にブレイク・スネル投手と大型契約を結んだドジャースは、最大の目玉フアン・ソト外野手の獲得にも動くなど優勝してもなお補強に積極的な姿勢をみせている。ファンはもちろん、自身もドジャース残留を熱望しているが、チームがどのような決断をするのか注目が集まる。
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