佐々木朗希投手の新天地はドジャース、パドレス、ブルージェイズに絞られたようだ。米複数メディアによると、獲得に名乗りを挙げていたヤンキースやメッツ、カブス、レンジャーズ、ジャイアンツなどにはすでに断りの連絡が入ったという。各球団からは嘆きの声が聞こえて来るが、多くのメディアは特に盟主ヤンキースが“振られた”理由を検証している。
◆「ササキとの契約に楽観的」佐々木朗希、地元メディアが伝えたド軍入り可能性の理由 現地記者は大谷翔平らの影響も示唆
■最終候補の3球団にも残れず
MLB公式サイトのブライアン・ホック氏は7日(日本時間8日)、米放送局『SNY』の番組に出演した際、「ヤンキースの幹部はササキ獲得に自信を持っている」と語っていた。しかし、約1週間後、佐々木の新天地がドジャース、パドレス、ブルージェイズの3球団に絞られ、ヤンキースは争奪戦からの脱落が決まった。
米スポーツ専門局『ESPN』のバスター・オルニー記者は14日(同15日)、自身のX(旧ツイッター)を更新し、ヤンキースが除外された理由を示唆した。「ロウキ・ササキはこれまで数チームと面談を行ってきたが、その過程で彼は非常に物静かな人物であるという印象を与えてきた。このため、一部のチーム関係者は『ササキは注目の的にならない場所、つまり小規模な市場や、既に名の知れたスター選手が揃っている(自分は目立たないで済む)環境を好むのではないか』と解釈していた」とつづった。
つまり、球界随一の市場規模を誇るヤンキースとは相性が良くなかったと指摘した形だが、ファンからは「(市場規模が大きく注目度も高い)ドジャースは最終候補に残っている。結局は金の問題だろう」という反応もあった。これに対し、同記者は「お金の問題なら、(25歳ルールに縛られず)大型契約が結べる海外フリーエージェントを取得するまで待っただろう」と回答した。
■ピンストライプの魅力低下か
また、米メディア『FANSIDED』も「ロウキ・ササキの獲得失敗が示すニューヨークの現状 日本人スター選手の目的地ではなくなったのか」と題し、球界の盟主が最終候補にさえ残れなかった理由を分析した。
「かつてヤンキースはメジャーに挑戦しようとする日本選手にとって定番の目的地だった」とし、松井秀喜や黒田博樹、田中将大らピンストライプのユニフォームに袖を通した選手たちの名前を挙げ、懐かしんだ。
ところが、最近は状況が一変。大谷翔平投手、山本由伸投手と立て続けに振られ、佐々木も逃した。同メディアは「この傾向の原因を特定するのは難しい」としつつ、「明らかに言えるのは、グローバル化が進む中で“ヤンキースのユニフォームを着る魅力”が、かつてほど大きくないということだ」と断言。「選手たちはどこにいてもスポンサー契約を得ることができるし、どのチームに所属しても日本のメディアは追いかけて来る。そして、日本のスター選手たちは故郷に近い環境、利便性を優先する傾向があるようだ」とした。
松井や田中、大谷や山本の間では球団選びにおいて、どんな違いがあったのか。興味深い点であることは間違いない。
◆「これは受け入れがたい事実だ」佐々木朗希の“争奪戦”に敗れた球団にショック……代案を提示するメディアも「方向転換しなければ」
◆「大谷翔平はトレードで出さない」球団が犯した最悪の判断ミス……ワースト1位は23年にエンゼルスが下した結論 米メディアが順位付け