【競馬】コントレイル3冠達成も「むしろ主役はルメール」

C.ルメール (C)Toshihiko Yanagi

2着ながら株を上げたルメール

先週の菊花賞ではコントレイルが見事に史上3頭目の無敗の3冠馬に輝いた。父ディープインパクトに次ぐ親子による快挙達成だが、あそこまでヒヤヒヤの勝利になると思っていたファンは少ないのではないか。栗東の日刊紙記者は言う。

「正直、戦前から楽勝だろうという声が挙がっていました。コントレイル自身もデキは良さそうだったし、矢作調教師も内心では自信たっぷりという感じでしたからね。福永騎手もキャリアを積み、どっしりと構えていたのが印象的です。それだけにあそこまで追い詰められるとは……。レース直後の京都競馬場の記者席ではコントレイルの強さをたたえるというより、むしろ『主役はルメールだった』という声が聞かれたほど。完全に本来の主役を食っていましたね」

そう、ここまでコントレイルを追い詰めたのはアリストテレスに騎乗したクリストフ・ルメール騎手。この馬自身も適性があったのだろうが、抽選を突破した条件馬である。

「これがGIに実績あるヴェルトライゼンデあたりならまた違ったのでしょうが、明らかに格下感のある馬でここまで迫ったのはインパクトが大きい。レース後に音無調教師はルメール様様と言っていたように、完全に騎手のファインプレー。ルメール騎手は株をグンと上げた一戦です」とは前出の日刊紙記者。

著者プロフィール
<文:競馬“聞き耳”TM>
競馬場やトレセンで取材を続けるトラックマン(TM)。東西に幅広い人脈を持ち、常に現場の情報にアンテナを張り続けている。関係者はもとより、記者仲間からも日々ネタを仕入れており、当サイトでは競馬の舞台裏、関係者の素顔が垣間見える“聞き耳”情報を配信。

実はマーク屋だったフランス時代

もともとルメール騎手はマーク屋の気質が強く、日本へ来る前からその手腕は発揮していたという。海外の事情通記者はこう話した。

「日本では完全にトップ騎手ですが、フランス在籍時はスミヨン騎手の方が評価は高かったし、国際レースではそれこそデットーリ騎手、ムーア騎手という超一流と戦ってきた。人気馬ばかりに乗る、というよりは人気馬を負かす立場にいるケースの方が圧倒的に多かったんです。だから人気馬をマークさせたときは本当にうまい。日本のファンにも2006年の凱旋門賞は記憶にあるはず。当時はディープインパクトが参戦し、注目を集めていた。ルメール騎手はプライドで参戦したのですが、ディープをマークしてきっちり先着しています。結果、2着には敗れたのですが、あれこそが真骨頂。日本では人気馬ばかりに騎乗するので横綱相撲が多いですが、マーク屋としてのキャリアは豊富。これまで日本ファンがあまり知らなかった一面を出せた、と言えるのではないでしょうか」

新たなオファーに注目

福永騎手はレース後、2着馬のプレッシャーがすごかったと語っている。これに対してルメール騎手は翌週、マスコミにこう言った。

「別にプレッシャーをかけている意識はなかった、と話していました。ただ内側の馬場が悪かったので、うまくそこに閉じ込めようとはしていたみたいです。本人からしたらこれくらいの騎乗は当たり前、と言わんばかりの表情が印象的でしたね。今後も人気馬が中心の騎乗にはなるのでしょうが、断然人気馬を負かしたい陣営からのオファーも殺到しそうです。そういう騎乗馬は馬券的にも美味しい配当を生み出す可能性も高く、積極的に狙うチャンスですよね」(前出の日刊紙記者)。

今まで以上に牙城が強固になりそうなルメール騎手に改めて注目していきたいところである。


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