【NBA】 ネッツの「ビッグ3」がデビュー 初白星はキャブスとのWOTに散る

初めての揃い踏みとなった、デュラント、ハーデン、アービング(左から) (C)Getty Images

今夜、どちらがいいチームだったか……そう問われたら、クリーブランド・キャバリアーズと答えるしかない。

大型トレードで3年連続得点王のジェームズ・ハーデンヒューストン・ロケッツから獲得したブルックリン・ネッツは、今シーズン初めてハーデン、ケビン・デュラントカイリー・アービングのビッグ3を揃えての試合をクリーブランドで迎えた。

結果、ダブルオーバータイムの末、147対135でキャブスに軍配が上がった。

■アービング復帰も即フィットとはならず

まずこのビッグ3がどれほどのトリオなのかおさらいしておこう。3人合わせて;

オールスター24回出場
オールNBA 選出18回
得点王7回
NBAチャンピオン獲得3回
MVP 2回

そのビッグ3は機能しなかったのか……悪くはなかった。しかし今夜は期待された仕上がりではなかった。

何よりも試合前半、ポイントガードとしてこの夜、チームに戻って来たアービングが即フィットしているとは言い難く、積極的にゲームメイクしていたとは思われない。スティーブ・ナッシュHCの戦略だったのか……。わからないが、ボールローテーションがストップしていたように見て取れた。

ただし、終始キャブスにリードを許しつつ迎えた第4クオーターについては、3人を揃えたポテンシャル、その集中力について特筆しておくべきだろう。NBAはレギュラーシーズンとプレーオフではバスケットボールの質が異なるのをご存知だろう。第4クオーターの集中力が常に維持されるチームに仕上がれば、ネッツのプレーオフに期待しても良さそうだ。

初戦ではあるが、もっとも危惧された点が見られなかったのも今夜の収穫だろう。アイソレーションを好み、エゴイスティックなオフェンスが目立ったハーデンの姿は見られず、12アシストのうえ、21得点、10リバウンドのトリプルダブルでオールラウンダーとしてのハーデンを見せつけた。デュラントが38得点アービングも37得点、とても悪かったとは表現できない。ただし、アービングの3アシストだけはいただけない……。

今回のトレードでチームとして弱点たりえる部分が表層化もした。まずはアンダーサイズ。ネッツからキャブスに移籍した210cmのセンター、ジャレット・アレンが躍動し11リバウンド、4ブロックを許した。懸念された通り、勝負所でキャブスに再三再四オフェンスリバウンドを許す苦しい展開が散見された。

■ケミストリーをどう生み出すか、期待されるナッシュの手腕

また、ベンチの層が薄くなった弱点も指摘されていた通り。シックスマンとして、武器となるはずだったジョー・ハリスが6得点、控え選手の総計が10得点に過ぎなかったネッツに比べ、キャブスはアレンの12得点を含め計42得点と圧倒的な差を付けられた。

今晩のようなダブルオーバータイムとなる長丁場では、控えのラインナップも重要になる。プレーオフまでに、そのピースを埋めるチーム補強を実行するのか気になるところだ。

試合運びを振り返るなら、ネッツは延長前にゲームを決めておくべきだった。終了間際の2ポゼッションのうち、ハーデンの3ポイント、またラスト2秒でのアービングのカットインのチャンス、いずれか決まっていれば延長前に勝利を拾っていたはず。

一方、この試合で讃えられるべきは、42得点としたキャブスのコリン・セクストンの活躍だろう。ビッグ3のデビューは、彼のオーバータイムでの爆発にさらわれたかたちだ。

ともあれ、ネッツの賭けである大型トレードは、事前に期待された方向へと動き出したと捉えるべきだろう。今後、3人に加えチームのケミストリーをどう生み出していくか、ナッシュHCの手腕に期待しつつ、プレーオフを待ちたい。

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著者プロフィール

たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー

『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨークで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。

MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。

推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。

リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、クイーンズ区住民だったこともあり、ニューヨーク・メッツ推し。

著書に『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在(いま)』、『麗しきバーテンダーたち』など。


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