テニスの4大大会、全仏オープンが30日に開幕する。日本からは大坂なおみ、土居美咲、日比野菜緒、錦織圭、西岡良仁、内山靖崇、ダニエル太郎が本戦に出場。大会後の世界ランキングに基づき東京五輪の出場権が確定することもあり、例年以上の熱戦が予想される。
全米・全豪とハードコートでの女王として君臨している大坂が、赤土の全仏で新たな進化を生み出せるかというポイントも注目を集めている。“生涯グランドスラム”達成のため全仏は避けては通れない道だ。
では、大坂の優勝争いに絡んでくるであろうプレイヤーたちは誰だろうか?プレースタイルなども踏まえつつ、注目選手を分析したいと思う。
◆【テニス】大坂なおみ、「赤土の全仏」制覇に向けてのカギとは 過酷な闘いで新たな進化を生み出せるか
■筆頭候補は世界1位・バーティー
筆頭候補は世界1位のアシュリー・バーティー(オーストラリア)だろう。2020年はコロナによる健康上のリスクを考えツアーから離脱していたが、今年に入りツアーに復帰。一昨年の全仏覇者であり、多彩なショットから相手を翻弄するオールラウンダーなプレーで、安定した勝ち上がりを見せるはずだ。
彼女のショットの多彩さは、状況によってより攻撃的にゲームを進められたり、我慢の時はすぐに守備ラインを固められたりと、ゲームプランを選べることが最大の武器である。あのバックハンドスライスの構えから、不意にドロップショットを使ったり、ネットダッシュに繋げたりとゲームのアクセントとしてスライスショットが幅広く活躍するだろう。
次に注目しているのは世界4位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)。今季2勝を挙げ、ランキングもキャリアハイを更新中。先日のマドリード・オープンの決勝では、バーティーを退けWTA1000のビッグタイトルを獲得。全ショットがパワフルであり、堅実なストローカーだ。
ダブルスランキング1位の実績もありネットプレーもこなしながら、隙が少ない手堅い試合運びを見せている。バックハンドからの展開に自信を持ち、回り込みフォアでのエースを量産。観戦する際も主にバックサイドからのポイント取得が高い点に注目していると、彼女の勝利のパターンが見えてきて面白いはずだ。